■ 月夜のネック(2/5)





もー…

こんな時刻に
何やってんすか?
ネックさん…




まだ少し 心臓を
ドキドキさせたまま、

ふきネック のほうに
歩いていきました。





うん…

月を、ちょっとね…






リビングの ガラス戸の
向こうでは、

青白い満月 が、

静かで 涼しげな
光をともして、

夜の空に浮かんでいます。




窓の外に広がる
夜の街も、

月の光に 包まれて、

まるで、
海の中で眠っている
かのようです。








夜行性でもある
ネックさんたち「猫」は、

こんな不思議な風景を
身近に感じながら
生きているんだなぁ…

と 思うと、


ちょっと
うらやましくも思える
ふき でした。







そのまま 10分ほど、

いっしょに座って
月を眺めていた
1人と1匹でしたが…



ネック
月を見つめながら、

ポツリと、
こんなことを言いました。





…どーして、

「あたし」なのかなぁ…





ふき が、

意味が分からず、
キョトンとしていると、




ネック
独り言のように、

こう 続けました。




ほかにも 猫は
いっぱい いるのに…


どうして、
この あたしが、

『ガン』なんかに
なっちゃったんだろう…?






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