これは、 ふき が 公園で ネック と 出会い、 自分の家に つれて帰った あの日から、 さらに 1ヶ月ほど前の お話です。 その日 ふき は、 電車で2時間かけて やってきた 冬の海辺を、 トボトボと 歩いておりました。 彼の この数年間が、 ずっと そうであったように、 とても重々しく、 さびしい気持ち で… | |
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ときに 体をゆすられるほどの 強く冷たい海風に たたかれながら、 ふき は、ここ何年かの 自分自身のことを、 ボンヤリと 思い返していました… ふき は 将来、 「ゲームプランナー」という、 「コンピュータゲーム制作の 監督」のような仕事に つくことを夢見ています。 苦労して就職した 今の会社も、 当時 急速に 拡大しつつあった スマホゲーム業界の 一角を担っていた、 大手スマホゲームメーカーの 1つです。 しかし 残念ながら、 ふき が 就職した当時は、 この会社に 「プランナー」の 空き募集は無く… それでも、 | |
大手メーカーの内部の、 少しでもゲーム制作に 近い現場で、 学べるものを見つけたい! | |
…という思いから、 当時、唯一 空きのあった 「商品管理部」の社員 として入社。 慣れない 「ユーザーサポート」や 「開発中のゲームの テストプレイ」業務を 必死に こなしつつ… 一方で、 プランナーになるための勉強 を続けていたのでした。 |