ところが、 そうやって 3年ほども ゲーム会社に勤めて、 ふき自身の 「ゲームを見る目」も、 プロとして肥えてくる と… ある「大きな悩み」が、 ふき の 中に 生まれてきました。 自社から出されるゲームの ほとんどが、 「他社が苦労して産み出した ヒット作の、二番煎じ」や、 そうしたヒット作に 「不要なゲームシステムを 後付けしただけ」の代物に すぎないことに、 気がつくように なってきたのです。 ふき は もともと、 大の「ゲーム好き」で あったために、 余計に、こうした行為に 怒りを感じずに おれませんでした。 それでも、 会社の業績は、 あいかわらず絶好調 でした。 『 派手な テレビCM 』や、 『 ゲーム雑誌 や サイト に スポンサー料を払って 書かせる「宣伝記事」』、 『 素人をよそおって ネット上で宣伝行為をおこなう、 専門の請負会社による 工作書き込み』 などの 効果もあって、 ふき の 勤めている 会社のゲームは 売れに 売れつづけ… この ご時世では珍しく、 毎年のように 社員に ボーナスを支給する ほど、 世間的に見れば いわゆる「優良企業」 だったのです。 |