■ あの日、ふき が見たものは 1

ふき、この3年間をふりかえる(2/6)





ところが、

そうやって 3年ほども
ゲーム会社に勤めて、

ふき自身の
「ゲームを見る目」も、
プロとして肥えてくる と…



ある「大きな悩み」が、
ふき の 中に
生まれてきました。






自社から出されるゲームの
ほとんどが、

「他社が苦労して産み出した
ヒット作の、二番煎じ」
や、

そうしたヒット作に
「不要なゲームシステムを
後付けしただけ」
の代物に
すぎないことに、

気がつくように
なってきたのです。




ふき は もともと、
大の「ゲーム好き」
あったために、

余計に、こうした行為に
怒りを感じずに
おれませんでした。








それでも、

会社の業績は、
あいかわらず絶好調

でした。



『 派手な テレビCM 』や、


『 ゲーム雑誌 や サイト に
スポンサー料を払って
書かせる「宣伝記事」』



『 素人をよそおって
ネット上で宣伝行為をおこなう、
専門の請負会社による
工作書き込み』

などの 効果もあって、


ふき の 勤めている
会社のゲームは
売れに 売れつづけ…



この ご時世では珍しく、
毎年のように 社員に
ボーナスを支給する
ほど、

世間的に見れば
いわゆる「優良企業」

だったのです。









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