■ あの日、ふき が見たものは 1
ふき、この3年間をふりかえる(4/6)





事実、

引き抜き中途採用
この会社にやってきた
実力あるプランナーたちが、


上層部の一方的な指示に
したがうだけの日々
に、

嫌気が さしたり、
疲弊しきって、

ほぼ1年と もたずに、
また 他社に去っていく…





そんな さびしい光景を、

そろそろ「古株」に
仲間入りしつつある ふき は、

本当に 数多く
見てきたのでした。











…でも。



…と、

同時に ふき は、
考えます。



でも、

ならば 今の自分に、

本当に この会社を
「批判」する権利が
あるのだろうか?





たしかに、
今の うちの会社は、

「ゲームへの愛」など
お笑い草
で、

他社のヒット作への
敬意も はらわずに

ただ そのアイディアを
拝借して、

利益をかすめ盗って
いるような
卑怯な会社
ですが…




その会社から
生活費をもらって
生き延びているのが、

他ならぬ 今の、
ふき自身』なのです。









それを考えると、
ふき は 自分の心が、

黒くドロドロした
沼の中
に、

少しずつ…

でも 確実に、

ズブズブと 沈んで
いきつつある
ような…


そんな
得体のしれない不安

感じずにおれなく
なるのでした。









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