■ あの日、ふき が見たものは 2

ふき、悲しい「悟り」に至る(3/7)





でも、
それは 同時に、

今までの
「子供のように無思考に
目標に向かって
走れていた自分」
からの

卒業 でもありました。




物事を冷静に、
長期的に見れるように
なった
ふき は、

「目標を達成する」ことが、
決してゴールではない

という事実や…


目標を達成したこと
によって生じる
『 その先の 段階 』に、

思考が及ぶように
なってきたのです。








たとえば、

「今までの ふき
にとっては、


この会社で
プランナーになる

ことは、

もう それで
「メデタシ メデタシ」と
言っていい『ゴール』…




すなわち、
後々まで「しあわせ」
約束される、

『人生の成功』
思えていました。








ところが、

自分の勤める会社の
実情を知り、

それを冷静に
分析できるようになった

今の ふき には、


その『一時的なゴール』の先に、
確実に待っているもの が、

まざまざと
見えるのです…



『 今後 長期間にわたって、

「会社の上層部が企画した
他社の盗作ゲーム」を
形にしつづける日々 』
が…







それは、ふき にとって、

『 自分の愛するゲームや、
尊敬する他社の作品を
冒涜しつづけ、
メシ代を得つづける、


そんな 半生が、
確定してしまうこと 』


でもあります。



それの どこが、
『 人生の成功 』
なのでしょう???







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