実のところ ふき は、 子供の頃 にも、 『いつか 宇宙が終わる』 という話を、 星の本か何かで 知ったことがありました。 そして しばらくは、 正体不明の モヤモヤとした恐怖 に おびえて暮らして いたようにも 記憶しています。 ところが しばらくすると、 | |
でも それって、 ずっと未来の事 なんでしょ? それに その頃には、 科学も すごく発達していて、 何とか解決してくれるよ! | |
…ぐらいに 思うように なったのでしょう。 気がつけば、 「遠い未来への心配」は、 「今日の宿題」や、 「明日のテスト」、 「学校の友達との人間関係」 への心配の 底に埋もれて、 ふき の 中から 忘れ去られて いったのでした。 でも、今の ふき は 「大人」です。 子供の頃より、 『 物事の つながり 』を 考えられるように なっています。 「未来の」宇宙の終焉 が 決まっているのなら、 「今の」自分の あらゆる努力 も、 長期的に見れば、 まったく完全なムダに 終わってしまう… そんな予感… というよりも、 ほぼ確定した事実を、 もう一度 都合よく 忘れ去ることは、 「大人の ふき」には 不可能な話 だったのです。 |