それからの ふき は、 何か、すべての物事が 「無意味」にしか 感じられなく なってしまいました。 「お金」を貯めても しょうがない… 「仕事」を認められても しょうがない… 「友達や恋人」も、 その場の気分で パーッと楽しめれば それでいいし、 それ以上を求めるのも 面倒くさい… 「健康」に気を使って 長生きしたからといって、 なんの意味があるのか…?? だって、 『 僕ら生物は いつか必ず、 この宇宙と いっしょに、 すべて 停止してしまう 』 のだから… そうなってしまうまでの 「残り時間」が、 あと 何億年後 か、 何100兆年後 か、 あるいは 明日か、 なんて、 結局 大して意味が無い。 『宇宙の終焉』と 同時に、 僕らが これまで 積み上げてきたものが 「無」になってしまう ことに、 まったく変わりはない のだから… ふき は この瞬間、 ある意味で 『悟り』 (真理に気がつくこと) に 至ってしまったのです。 この宇宙の中で生きる 自分たち生物には、 『生きる意味』など 最初から無かったのだ という、 冷たい結論 を、 まざまざと 直視してしまった のでした。 |