■ あの日、ふき が見たものは 2

ふき、悲しい「悟り」に至る(7/7)





それからの ふき は、

何か、すべての物事が
「無意味」にしか
感じられなく
なってしまいました。








「お金」を貯めても
しょうがない…


「仕事」を認められても
しょうがない…


「友達や恋人」も、
その場の気分で
パーッと楽しめれば
それでいいし、
それ以上を求めるのも
面倒くさい…



「健康」に気を使って
長生きしたからといって、
なんの意味があるのか…??




だって、

『 僕ら生物は いつか必ず、
この宇宙と いっしょに、
すべて 停止してしまう 』

のだから…







そうなってしまうまでの
「残り時間」が、

あと 何億年後 か、
何100兆年後 か、
あるいは 明日か、
なんて、

結局 大して意味が無い。



『宇宙の終焉』と 同時に、

僕らが これまで
積み上げてきたものが
「無」になってしまう
ことに、

まったく変わりはない
のだから…





ふき は この瞬間、

ある意味で
『悟り』
(真理に気がつくこと)
に 至ってしまったのです。



この宇宙の中で生きる
自分たち生物には、


『生きる意味』など
最初から無かったのだ


という、
冷たい結論 を、

まざまざと
直視してしまった
のでした。






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