■ あの日、ふき が見たものは 3
僕らは まるで…(6/9)





おそらく、

悪天候で
波が荒れくるっている

時間帯に、

たまたま「満潮」が
重なった
のでしょう…






高い波に もまれて
困っていた 小魚たちは、

海中に没していた…

あるいは 海面から
出たり入ったりしていた、

この石柱の「くぼみ」に
たまたま 流れつき…




嵐が おさまるまで
身をひそめていたところ、

海面が低くなり、
波も おさまって、
石柱が 水の上に出てしまい…


図らずも、
ここに留まることに
なったのです。






あれから
日が たっているのに、

こうして ちゃんと
魚たちが生きているのは、

幸運にも、
海水と いっしょに

プランクトンか何か、
「食料」になるようなものも
流れ込んでくれた…


という事でしょうか?




ふき は、

めったに見れない
『 偶然の産物 』に、

感嘆の ため息を
もらしたのでした。






小魚たちは、

とてもノンビリと優雅に
泳ぎまわっています。



海から切り離された
「くぼみ」の中に
いることで、

大きな魚などに
狙われる心配がない

ことも、

この 穏やかな雰囲気の
一因かもしれません。




ふき は しばらく、

「小魚たちの 小さな楽園」
ほほえましく
眺めておりました。








ところが 突然、

ふきある重大な事実
に 気づき、

それまでの
あたたかな時間が
凍りつきました。






あれ…?
この 小魚たち…

どうやって
ここから
海に帰るんだ??






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