…と、 ここまで話して、 深く ため息をついた ふき は… キョトンとして、 顔をあげました。 | |
でも、不思議 だなぁ… どうして こんな大事なことを 今まで忘れていたり、 記憶が細部で ゆがんじゃったり していたんだろう… | |
かみね も、 ふき と 同様に 首をかしげています。 しかし、 ネック と ミューラー は、 少し寂しそうな顔で、 うなずき合ったのでした。 | |
それはねぇ、 ふき… | |
ふき が ネック のほうに 振り向くと、 白猫は しずかに 目をつぶって、 一度、ゆっくりと 深呼吸をしました。 | |
それはね… あたしが そう 頼んだ んだよ。 あたしにとって 都合が悪い 「ふきの記憶の一部」を、 一時的に 消したり、 勘違いしてもらう ように… ね。 | |
『 は??? 』 意味が分からず 固まる ふき に、 ネック は しずかに 問いました。 | |
さあ、 思い出しなよ、ふき。 3年間の、 「空しい社会人生活」… 企画の勉強で知った、 「宇宙の終わり」… 海辺の岩場の 悲しい思い出… | |
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そして あんたは、 あの日、 3年ぶりに 『 あの公園 』に やってきた… 「誰に」会って、 「何を」するために? | |
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