■ ふきの 悲しい決断(5/6)





…と、

ここまで話して、
深く ため息をついた
ふき は…


キョトンとして、
顔をあげました。




でも、不思議 だなぁ…


どうして
こんな大事なことを
今まで忘れて
いたり、

記憶が細部で
ゆがんじゃったり

していたんだろう…




かみね も、

ふき と 同様に
首をかしげています。






しかし、

ネックミューラー は、

少し寂しそうな顔で、
うなずき合ったのでした。

  






それはねぇ、

ふき




ふきネック のほうに
振り向くと、


白猫は しずかに
目をつぶって、

一度、ゆっくりと
深呼吸をしました。





それはね…

あたしが
そう 頼んだ
んだよ。


あたしにとって
都合が悪い
ふきの記憶の一部」を、

一時的に 消したり、
勘違いしてもらう

ように… ね。





『 は??? 』

  





意味が分からず
固まる ふき に、


ネック
しずかに 問いました。





さあ、
思い出しなよふき


3年間の、
「空しい社会人生活」

企画の勉強で知った、
「宇宙の終わり」

海辺の岩場の
悲しい思い出





そして あんたは、
あの日

3年ぶりに
『 あの公園 』
やってきた…


「誰に」会って、

「何を」するために?






[章の 目次 に戻る]