■ ネックの望んだ、最後の願い 1(3/8)





これから どんなに
長生きしても、

もう あたしが、
他の誰にも見えなくなって、

もう世の中の 何にも
関われなくなっちゃう

ってのが…





なんだろう…

すごい寂しいっていうか、

『それって、
死んでるのと いっしょ
なんじゃないの?』


みたく思えてきて、さ…





そう言いながらも
ネック は、

自分の頭上で、
ちょっと さみしそうな
顔になっている
キツネの おじいさん に気づき、

あわてて、




あ、いや。

じいさんたち『神さま』が、
「死んでるのと いっしょ」って
言ってるわけじゃないよ?


と、言い足しました。




その言葉に、おじいさんは、

「良い良い」という感じに
ほほえんで
うなずきましたが…



何か思うところが
あるようで、

静かに目を閉じたまま、
黙り込んでしまいました。






ネック も、

公園の入口のほうに
向きなおって、

なにか考えているのか、
いないのか…


ゆったりと
目を細めるのでした。





2匹の周りに、
しばしの静寂が訪れた、

そのとき



突然、ネック の背筋が
ビビッ!
まっすぐに なりました。







驚いた キツネの おじいさん
見おろすと、

ネック
その目を大きく見開き、

公園の入口
凝視しています。




ネック
視線の先には、

「会社帰りらしい
サラリーマンの青年」
が、

こちらに歩いてくる
姿が あります。




でも、
その青年の足取りが、

何か力無く
トボトボとしている
ことに、

おじいさん
違和感 を感じました。









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