ネック は、 しばし 茫然と していましたが、 ハッと気づいて 絶叫しました。 | |
じいさんっ!! | |
ネック が 叫んだ瞬間、 ふき の 足の動きが ピタリと停止しました。 ゆるやかに流れていた風や、 彼方の道路を 行きかっていた 人々 や 自動車 も、 写真のように かたまっています。 音すらも かたまり、 耳が変になったような無音 が ネック を 包みました。 全てが 止まってしまった中で、 ネック が、 ふき の 足元に駆けより、 ふき と 神さま の 顔を、 交互にオロオロと 見上げています。 そして、 神通力で この 「時間の止まった 不思議な空間」 をつくった キツネの おじいさん が、 ネック と ふき を 悲しそうに 見つめるのでした。 | |
「人間」というのは… 不思議なものじゃ。 | |
神さま は 寂しそうな顔で、 ポツリポツリと 話しはじめました。 | |
この地球上において 「ズバ抜けた知性」を 持つ生物である一方で… 生物にとって 最も重要であるはずの 『自分の命』を ときに、自らの判断で 捨ててしまったりもする… | |
キツネの 神さま には、 「ふき の 思い」が、 神通力で見えているようです。 | |
この公園の端にある、 「立ち入り禁止」の敷地… あのあたりは、 近々 埋め立てて 整備されるそうじゃが… | |
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