■ ネックの望んだ、最後の願い 1(7/8)





あそこにある、
古びた 深い深い「井戸」に、

夜 コッソリ
身を投げてしまえば、

「誰にも見つからず、
誰にも迷惑をかけずに、

自分の命を
終わらせることができる」…


と 考えたらしい。





ネック は、

暗い暗い穴の中に
落ちていく

悲しそうな ふき

を 想像して、


半泣きの顔のまま、
ふき の 足元に
しがみつきました。








死んで
土になるのなら、

せめて、

『自分が まだ夢いっぱいで
一番 輝いていた、

一番 良い思い出のある
この公園』
で… と、





ふき は、

そう 考えたようじゃ…






ネック の 脳裏に、

3年前の ふき

輝くような
まっすぐな目と、

その口から語られた「夢」

が よみがえりました。

  




あの頃の ネック は、

まだ、人間の言葉が
分かるようになったばかりで、

知識も浅く、

正直、ふき の 語る話は
ほとんど理解できなかった
のですが…




ふき
まっすぐな熱意 には、

それを聞く ネック にも、
なにか「未来」のようなものを…


「自分も がんばって生きて、
いつか それを
いっしょに見てみたい」

という思いを

わかせる力が
あったのでした。








ところで、じいさん


さっき言ってた、

ふき
『この公園での 良い思い出』

ってのは…?






[章の 目次 に戻る]