■ ネックの望んだ、最後の願い 1(8/8)





神さま は、

静かに自分のほうを見上げて
そう質問した ネック に、

少し 躊躇(ちゅうちょ)
しましたが…



あきらめたように、

こう 答えました。





「お前さんとの日々」
じゃな。


まだ この街に慣れとらず、

夢の達成までの
長い道のりの不安で
いっぱい
だった
ふき にとっては、





言葉は 分からなくても…

まあ、実際には お前さんは
理解できとったわけじゃが、


言葉は 分からなくても、
自分の語る夢を聞いてくれた

お前さんの存在が、

本当に大きな
『心の支え』
なっとったのじゃろう…






わしも、
なんとなく憶えとるよ…


まだ、お前さんが、
この公園に捨てられた
ばかりの頃、

ほとんど 毎日のように
お前さんに会いに来とった、

人間の青年が おった
のを…







ふき が、
人生の最期の場所に
「この公園」を選んだ理由が、

この 自分にある…





神さま の語る
その事実を、

ネック
とても うれしく

とても 悲しい気持ち
聞いたのでした。








そして、

ネック は 言いました。






ねぇ、じいさん

あたしの
『3つ目の願い』をさ…






「あたしの長生き」の
ためじゃなく、

ふき の「自殺」を
止めるため』

に 使えない?






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