神さま は、 静かに自分のほうを見上げて そう質問した ネック に、 少し 躊躇(ちゅうちょ) しましたが… あきらめたように、 こう 答えました。 | |
…「お前さんとの日々」 じゃな。 まだ この街に慣れとらず、 夢の達成までの 長い道のりの不安で いっぱいだった ふき にとっては、 | |
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言葉は 分からなくても… まあ、実際には お前さんは 理解できとったわけじゃが、 言葉は 分からなくても、 自分の語る夢を聞いてくれた お前さんの存在が、 本当に大きな 『心の支え』に なっとったのじゃろう… | |
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わしも、 なんとなく憶えとるよ… まだ、お前さんが、 この公園に捨てられた ばかりの頃、 ほとんど 毎日のように お前さんに会いに来とった、 人間の青年が おった のを… | |
ふき が、 人生の最期の場所に 「この公園」を選んだ理由が、 この 自分にある… 神さま の語る その事実を、 ネック は とても うれしく、 とても 悲しい気持ちで 聞いたのでした。 そして、 ネック は 言いました。 | |
ねぇ、じいさん。 あたしの 『3つ目の願い』をさ… | |
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「あたしの長生き」の ためじゃなく、 『ふき の「自殺」を 止めるため』 に 使えない? | |
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