『自分の長生きのために 使うはずだった 「3つ目の願い」を、 ふき の「自殺」を 食い止めるために 使いたい』… そんな ネック の 予想外の 申し出 に、 キツネの おじいさん は しばらく絶句して おりましたが… やがて、 さびしそうに 首をふりました。 | |
それは… 無理な話 じゃな… わしらの神通力で 「命」の流れ を どうこうできるなら、 そもそも お主の「ガン」とて、 簡単に取りのぞいて やれたはずじゃ。 | |
そう言いながら キツネの おじいさん は、 あらためて 自分の無力さ を 噛みしめるのでした。 | |
それにじゃ… たとえ 「今の ふき」から 一時的に 「自殺したい」という思いを 取り去ったとしても… | |
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ふき本人が 変わらなければ、 やがて また、 「同じ道」… 『自殺』という選択肢を 選ぶ日が やってくる じゃろう。 | |
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「生きる」ということの、 本当の意味… 『生物が生きたいと思う、 その心の正体』を、 ふき自身が 見つけぬかぎりは な… | |
神さま の その言葉に、 小さな白猫が、 不敵に ほほえみました。 | |
教えてやろう じゃない。 この、ネックさん がさ。 | |
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ふき に、その 『生きる意味の 正体』 って やつを。 | |
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