■ ネックの望んだ、
最後の願い 2(2/10)

『生きる意味の「正体」 教えてやるにゃー』





あたしら動物は、

ふきたち 人間みたく
賢くはないけど…


『生きる』ことの真剣さ
なら 負けないよ?





それに、あたしは
この3年間、

いろんな人間どもの
「不満や悩みの独り言」を
聞きながら、

ずーっと、
そんなことを考え続けて
暮らしてた
わけだしね。






神さま の 脳裏に、

この 3年間
ネック の日々が
よみがえりました。






人間の言葉が分かるように
なってから ネック は、

その愛らしい姿から、
さまざまな人間に愛され、
その膝の上で丸まりつつ、

さまざまな人間の語る
「独り言」を聞いて、

急速に その思慮を
深めていきました。





年齢こそ
わずか4歳ですが、

そこらの
20代・30代の人間とでも
十分に「人生」を
論じ合えるほどの思考
を、

今の この白猫は
備えているのです。








考え込んでいた
神さま が、

静かに うなずきました。




…よぉし。
分かったぞ ネック


ならば、おぬしの
『3つ目の願い』で…





この ふき

『自殺しようと決断した、
それに関する
さまざまな記憶』を、


一時的に 思い出せなく
するとしよう。






[章の 目次 に戻る]