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あの公園に 置いていかれて 独りぼっちだった あたしに、 あんたが 何度も会いに来て、 ちょっとした ご飯や オヤツをくれたよね。 あれ、本っ当に うれしかったんだよ? | |
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考えてみると あたしの命は、 あんたに もらったような もんなんだよね。 あたしだって、 あの頃は… | |
言いかけて ネック は、 「いやまあ、そんな事より」 と、前足を左右に ペペペ と振りました。 | |
それよか、ふき。 あたしらとの 話を通じて、 『本当の 生きる意味』 ってやつに 辿りついて… | |
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「自殺」なんかじゃない、 『あんたが 本当に心から 自分の命をかけたい、 未来の選択肢』ってのを なんとか 絶対 見つけてよね。 | |
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できれば、 あたしが 生きてる間にさ。 | |
そう言って ネック は ニヤリ顔になり、 座っている ふき の 脇を 前足で ポスポスと つつきました。 そんな ネック を 見おろしながら、 半泣きの ふき は 言葉もなく、 小さく 何度も 何度も、 何度も うなずいたのでした。 |