■ それぞれの思いの底に
あったもの 2(1/3)

『母親に なりたかった猫』

執筆日 2019年 10月25日   最終更新日 2019年 10月25日





ふき が、

『自殺』を決意するほどに
絶望した状態に いたった、

その原因は 分かりました。



しかし、

ならば ネック は?



どうして この白猫は、
ふきここまで

自分の未来を放棄
してまで、
つくしてくれたのでしょう?


    





ミューラー の 話は、
こうでした。





「自分の知識」…
「自分の心」を、

ふきくんに 伝え 残したい
という思い


ネックさんの中で
ここまで 深くなった理由は…





ネックさんが 避妊手術を
受けていたから』

だと思うのです。





ふきかみね
キョトンとした視線が、

ミューラーネック に、
それぞれ そそがれます。



ネック の 表情だけが、
おだやかです。








避妊手術を受けた
ネックさんは、

「自分の子供」

つまり、
『自分の DNA を
受け継いでくれる生物』

を 残すことが
できません…





それは、
「生物本来の目的」…

『自己の DNA を、
未来永劫 存続させること』


の 大半を失ってしまった
ようなものです。





ネックさん ご自身には
明確な自覚が無かったかも
しれませんが、

心の奥底では、
『とても根源的な 寂しさ』
感じていたのだと
思います。






かもしれないね…




ネック が、

ちょっと自嘲的に
ほほえみました。






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