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第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ 地球生物が 生き残るために、 『しあわせ』を どう活用するか? |
これまで話し合ってきた 「しあわせ」を、 『この宇宙での絶滅を 回避するほどの 超文明を手に入れる、 そのための手段に できないかを、考え直す』… その最初の要素は 『若さ』でした。 ただ、 そんな 記念すべき スタートの場面なのに、 なんだか ふき に 元気がありません。 | |
以前は、 『若さって 素晴らしい!』 って 信じ込んでたことも あったけど… | |
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『宇宙の終わりを 回避するための、人類の成長』 って 視点で考えると、 「若さ」が、何の役にも 立たない ことが、 つくづく 思い知らされるよ… | |
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それは、ふきくん… ご自身を 卑下(ひげ)なさりすぎ なのでは…? | |
ミューラー が、 困ったような ほほえみを見せました。 | |
だって、 若いってことは、 経験も知識も 「年上」より浅いケースが 多い よね… | |
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自分の中の「柱」も まだ あんまり 定まってないから、 感情にも 流されやすい し… | |
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たしかに そーかもね。 「若いころの良さ」 なんて、 あたしみたく 『見た目が 美しい』 ぐらいかしら? | |
ネック に 笑われて、 ふき は ますます しょげてしまいましたが… 直後に彼女は、 こんなこと を 言い出したのでした。 | |
だったら「今」から、 経験や知識を積んで、 「役に立つ大人」に なっていけばイイ じゃない。 『人類の成長の 手伝いが できるような大人』 にさ。 | |
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「人類の成長の、手伝い」… | |
ネック の 言葉に、 ミューラー も うなずきました。 | |
その通りです、ふきくん。 若い頃は、たしかに 誰もが「未熟」ですが、 同時に、 かつて ふきくんが おっしゃっていたように 多くの『可能性』を 持つ状態 でもあります。 | |
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なにしろ、 世の中に影響を 与えられる『残り時間』は、 年配者よりも 若者のほうが 多い のですから… | |
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また、 何らかの失敗をした 場合でも、 「まあ まだ若いから」と、 周りに 笑って許してもらえる ことも多いです… | |
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「まだ 自分の中の柱が 定まっておらず」、 「過去の経験が少ない」 今 だからこそ、 恐れずに「挑戦」し、 新たな「経験」を積む ことで、 『成長の伸びしろ』も 大きい と 考えられるのです。 | |
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逆に、 年を重ね、 人生の残り時間が 少なくなってくる と、 生物は どうしても 『守り』に 入りがちで、 「新たな経験」や、 「学習に対する意欲」も 低下しがち です… | |
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「若者」と「年長者」には、 それぞれ 長所・短所がある わけです。 | |
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「自分の中の柱」 (知識や経験)が 定まっていないのなら、 逆に『その柱を 探す』 (知識や経験を積む)ことに 全力をかたむけられる … | |
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そんな時間が、 『若さ』って やつなのかもね? ふき。 | |
そんなふうに 言ってもらえると、 ふき も 自分の中の『若さ』に、 「ありがたさ」と「貴重さ」を、 しみじみと 感じるのでした。 | |
人生って、 『マラソン』 みたいなものだって、 前に ネットで 読んだことがあります。 | |
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だから、 先に走りはじめた (生まれた)人が、 自分たちより 先のほうを 走っている のは、 ある意味 仕方のない、 当たり前のことでは ないでしょうか? | |
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大切 なのは、 「自分の人生が終わった」とき… 「走り終わった」ときに、 『どれだけの「距離」を 走れていたか』だと、 私 思うんです。 | |
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もちろん、 ガムシャラに 「距離」だけ稼いでも ダメだかんね、ふき。 大切なのは『方向』。 | |
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あんたたち人間が 目指して進む「方向」は、 『地球の生物みんなが、 絶滅しなくて済むための 「何か」』だってこと、 忘れんじゃないわよ? | |
ネックたちの言葉に 背中を押されて、 ふき は、 今以上に 何かを「学び」、 「吸収」したくて たまらなくなってくる のでした。 |