サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』
地球生物が 生き残るために、
『しあわせ』を どう活用するか?



■ 地球生物が 生き残るために、
『健康』をどう活用するか?


『健康は 文明の発展において、
「絶対条件ではない」』


執筆日 2020年 08月29日   最終更新日 2020年 08月29日





地球生物が
母なる地球から
旅立つ
ため、

『高度な宇宙航行を
可能にするほどの、
飛躍的な文明の発展』

を 目指して、

既存の「しあわせ」を
考え直す…





今回 お話しするのは、
その 最後の要素…

『健康』について
ですね。





ミューラー が、
ここまでの道のりを
振り返って、

しみじみと
そう語りました。




ちなみに
今日の話し合いには、
ネック
参加していません。






キツネの おじいさん の力で
「ガンの痛み」
無くなっても、

決して
「健康」になった
わけではない
ネックは…



時々 こんなふうに
疲労が あらわれて、

寝室で横になることが、
最近は 増えている
のです。






僕は『健康』も、

「文明の発展」には
絶対不可欠

だと思うなぁ。





健康でなくちゃ、

「学校」「仕事」
「趣味」「人間関係」も、

どうしても
全力投球ってわけには
いかなくなる
し…





自分の体に
不安が無い
からこそ、

色んなことにも
積極的になれる

んじゃないかな。






「学校も 会社も 病気も
なんにもない」神さま

である かみね も、

その話は
分かる
気がします。





自分の体が、
(病気やケガ・障害などで)
自分の思う通りに動かない
状態
というのは、

想像するだけでも
怖いものです。






特に、
ミューラーたちのような
野生動物 は、

その日その日を
生き延びるのが
精一杯なので、

「健康を害すること」
イコール
『死』に 直結する

ケースが多く…





理屈では
分かっていなくても、

「健康であること」
への 渇望
は、

きっと、
人間の それとは
比較にならないほど強い

ことでしょう。





私も、

『健康』であることの
重要性
は、

本当に深く、
実感せずにはおれません。





ただ…

ネックさんと
お会い
し、

「人間さん」たち
というものを
学ばせていただいた

ことで…





『健康』は、

文明の発展において
「必要条件」

ではありますが、

『絶対条件ではない』

と 考えるように
なりました。





ミューラー お得意の
「難解な言葉」に、

またも かみね
うろたえましたが…





ふき は 何となく、
意味を理解したようです。












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『健康を失って
初めて見えてくる
「生きる意味」もある』





「健康」であることも
大事
だけど…

『それだけでは
文明は発展しない』

という事ですね?





ミューラー が、
深く うなずきました。





その通りです。

そもそも
「健康」というものは、

とても
『個人的なもの』

です。





健康であることで、
「その本人」の 生存確率は
もちろん上がります
が…


それ以外の人々の
生存確率の向上
(文明・社会の発展)


その人の欲求が
向くかどうかは、
また 別問題 です。





むしろ
健康である せいで、

「自分の力だけでも、
人生なんとかなる!」

といった 勘違いや
思い上がりを起こして、

『他者との協力の重要さ』を
軽視するように
なってしまう

かもしれません。





「健康」であることが、

かえって
生物さんたちの結束を
壊してしまう…


という事でしょうか??





ビックリしている
かみね に、

ミューラー
「いえいえ」と ほほえんで
首をふりました。





もちろん、

そこまで極端なケース
ばかりではない

とは 思います。





ただ、生物は、

『自分の弱さ』を
認める
ことで、

「他者との協力の 大切さ」
に 気づきますし…





『自分の命に 限りがある』
と 自覚する
からこそ、

「自分の DNAを 子供に託し、
自分の得た知識を
次の世代に残すことの
重要性」

認識するのです。







「病気やケガ・障害」
(健康ではない状態)

というものは、

生物に
『自分の死』を
部分的・疑似的に
体験
させ…





「自分の弱さ」や
「命に限りがあること」を
再認識
させてくれる、

とても重要な経験 だと、

私は思うように
なったのです。






ミューラー
この言葉に、

ふきかみね
ハッと気づきました。


 




ネックさん…





あの白猫が、

ふき
『生きる意味の正体』
伝えようとした理由は、

「自分が ガンになったから」
でした。




あの 公園 で、

ノンビリと 人間たちから
食べ物をもらったり、

人間たちの独り言を
聞いたりしながら
暮らしていく
ものだと、

信じて疑いもしなかった
「自分の人生」が、


ある日 突然、

「ガン」によって
プッツリと絶たれてしまう

と 知ったとき…






ネック は、

せめて、
これまで つちかった
『自分の知識』
『自分の心』を、

ふき の 中に
遺(のこ)そうと
決意
しました。







「健康」を 失って
はじめて、

ネック の 中に
『自分自身の 生きてきた意味』
と 真剣に向き合う覚悟

が 生まれた…






ある意味、ネック
「本当の人生」は、

健康を無くした瞬間から
始まった
とも
言えるのです。

 









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『完全な「健康」は、
他者との協力を必要としない』





たとえば もし、

『永遠の健康・永遠の命』
を 持つ生物が
いたとしたら…





その生物は、

「決して他者と
協力し合うことは無く」


「文明や社会の発展に
貢献することも無い」

でしょう。





なぜなら その生物は、

『自分という存在だけで、
永遠に生きていける』

からです。


そこには、
「他者との協力」の
必要や欲求は 皆無

なのです。





逆に、僕ら
「普通の生物」は、

病気もすれば
ケガもする…


この命も、
いつか 終わっちゃう…





それが
悲しくて 怖い
から、

「いつまでも
自分の DNAが
のこる方法」
を、
必死に探そうとする…





それが 結果的に
生物さんたちの中に、

『他の生物と 協力して、
高度な文明や社会を
作り上げたい!』


という 強い気持ちを
生み出すのですね?





ミューラー が、

とても うれしそうに
何度も うなずきました。





その通りです。

行動する上では
「健康」は とても
大切ですが、

「自分の生き方(心)」
の 方向は
『死』を意識しないと
見えてこない…





『健康という しあわせ』は、

失うことでも、
より深い「しあわせ」を
見出すキッカケになる
場合がある、


とても不思議なもの
なのです。





もちろん、

「だから、病気や障害を持つ
人のほうが、人間的に立派」

と言うわけでは
決してありません が…





「健康」と
「健康ではない」という、
2つの面
経験している人のほうが、

『視野が広い』のは
間違いないのでは
ないでしょうか?







語り終えた
ふきたちは、

ネック の 寝ている
部屋のほうを、
見つめました。


  




このまま 二度と、

「健康」を 取り戻すことなく
生涯を終えてしまう 白猫…





でも 彼女は、

「健康」という しあわせ
失ったことで、

『自分の心』を
誰かの中に のこす

という、

新たな しあわせの道
見出したのです。






『生きる意味』
というものの不思議さ
に、

ふきたちは 改めて、

ただただ 感嘆する
ばかりでした…



  






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