サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』
『霊・あの世・生まれ変わり』の 正体


■『霊・あの世・生まれ変わり』
の 正体(1/2)


『あんた、「霊」なんか
信じてるんだ?』


執筆日 2019年 11月06日   最終更新日 2020年 07月28日





自分でも
変な言い方だと
思うけど…


あたし、

死ぬのが少し
「楽しみ」

なっちゃったかな?





うつむきがちだった
ふきたちが、

キョトンとした
顔を上げて
ネック を 見つめました。


  






あたしは もうすぐ、
「お父さんと 同じ病気」
で 死んじゃって…


でも、死んじゃった後は
「お父さんと
同じようなもの」

になれる…





そんなふうに
考えると、

あんまり
怖くなくなっちゃった
んだよね。

「死ぬ」ことが。





「同じ病気」という部分は
分かりますが、

『死んだ後、
同じようなものになれる』


とは、
どういう意味でしょう?




それって…

一部の人が
よく言ってる、

『死んだら 皆、
霊魂(れいこん)になって、
死後の世界に行く』
とか、

『生まれ変わって、
いつか また再会する』

っていう…

そういう意味??





その言葉に、

今度は ネック
キョトン顔を
ふき に 向けました。




バカねぇ、ふき

あんた、

『霊』とか
『死後の世界』とか
『生まれ変わり』とか、
信じちゃってんだ??





ネック
鼻で笑われた ふき は、

うろたえつつも
久しぶりに ちょっと
カチン と来て、




い、いや、だって、

ネックさんが
それっぽい事を
言うから…




と、反論しようと
したところ、

「まあまあ」と、

これも 久しぶりに
ミューラー
ほほえみながら
制止されました。








たしかに、

仏教などの
一部の宗教には、

『輪廻転生』
(りんね てんしょう)

という 概念があります。





生物が死ぬと、

その中に宿っていた「霊魂」
(心のようなもの)が、
体から抜け出ていき、

「あの世」などと
表現される別世界に
しばらく滞在した後…





ある日、
何かのキッカケで、

再び 現実の世界に
「別の生命」として
『生まれ変わる』

という 考え方です。



  









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『「名称」があるから実在する…
とは、限らない』





その話なら、

ふき も 少しは
聞いたことがあります。





『前世』(ぜんせ)
『来世』(らいせ)
などという言葉も、

今 生きている自分から
見たときの、

「生まれ変わる前のとき」
「次回 生まれ変わるとき」
あらわす言葉です。





『そういう言葉が、
世の中にある』

という事は、

やはり
「霊」や「あの世」、
「生まれ変わり」なども
実在する


という事
なのでしょうか?





かみね の 問いに、
ふき も、

「言われてみれば
たしかに…」


と 考え込んで
しまいました。






ところが、
ミューラー は、

ちょっと ほほえんで
こう答えました。





かみねさん。

「言葉があるから 存在する」
というのは

必ずしも
そうではありません
よ?






なにしろ、
世の中には、

『無』という言葉が
存在する
のですから。





あっ!

  




言われてみれば
その通りです。


『無いものを表現するための、
「無」という言葉』

あるからといって、

『だから、無は存在する』
としてしまっては
大矛盾です。


存在しないからこそ、
「無」
なのですから…



『言葉がある』
『存在する』は、

必ずしも イコールでは無い
のです。








また、

「霊」や「あの世」を信じる人が、
よく使う 反論 として、

『霊や「あの世」が
無いということを
完全に証明した人は、
いまだに いない』


(だから、霊や「あの世」は
存在するのだ)


というものが
ありますが…





これも ふき は、
以前に聞いたことが
あります。


「なるほどなぁ」
納得して、

ちょっと「霊の世界」を
信じそうになったり

したのです。





ところが
ミューラー は、

そんな ふき の 心を
見透かしたように、
ほほえみました。




実は これ…

『 悪魔の証明 』
と呼ばれる、

昔からある
有名な詭弁(きべん)

なのです。



  









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『霊が いないことを
科学は証明できない!
…と ごまかす「悪魔の証明」』





『あくまの しょうめい』?

『きべん』??

  




首をかしげる
ふき たちに、

ミューラー は、
こう 続けました。




たしかに、
今の人間さんたちの
知識・科学力では、

『霊や「あの世」は
存在しない』

ということを、

『100% は 証明できない』
かもしれません…





しかし、
お気づきでしょうか…?


実は、
『霊や「あの世」は 存在する!』
と 主張している側の
人々も また、


『その理論の正しさを
100% 証明できていない』

ことに。





ああっ!

  





これは 盲点 でした。


「A でなければ、B である」
「B でなければ、A である」
といったふうに

「2パターン」
考えてしまいがちですが…



よくよく
考えてみれば、

『Aでも Bでもない』
(AもBも 証明できない)

という
「第3の状態」
あることを、
ウッカリ忘れておりました。





「存在を 証明できない」
からといって、

『必ずしも それが、
イコール「存在する」
になるとは 限らない』

わけです。


  






さらに 言えば、

『霊現象』を信じる人々は、
アレコレと
「自分の体験談」
語りますが…


それらは あくまで、
「本人が、体験したと
主張している」

だけに過ぎません。





そのような
「客観性の無いデータ」
いくら集まっても、

まったく 証明には
ならない
のです。





むしろ、

その人が 何かの
『見間違い』をしたか、

『意図的に
ウソをついている』

と 考える方が
自然でしょうね。






たしかに…


「○○を見た」
周りに主張することで
自分に何らかの
『得』が発生する人
なら、

多少 ウソを交えてでも
『○○を見た! たしかに見た!』
と 主張し続けたとしても、
なにも不思議はありません。





それは、

以前に 皆で
『損得』や『善悪』について
深く話した経験

を持つ ふき には、

バカバカしいほど
クッキリと
理解できる
のです。












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『「霊が見える」人は、
深刻な病気の可能性がある』





また 中には、

『霊能力が無い人には、
霊は感知できないのだ』


などと 言う人も
おりますが…





『他人は、自分より
劣っているから、
霊を感知できないのだ!』

という 考え方自体、

ちょっと
都合が よすぎる
というか、

「我田引水」
が 過ぎますよね…





ミューラー は、
そう言って 苦笑し、


  


さらに、
こう 続けました。






ちなみに 最近では、

『レビー小体 認知症』
(れびーしょうたい にんちしょう)
といった

「幻覚・幻視」が見える
病気
の 存在も
判明してきています。





つまり 彼らは、

決して ウソをついている
わけではない
のですが…


『深刻な 病気』
が 原因で、
「ありもしないもの」が
見えてしまっている

という、

ちょっと怖い可能性が
浮上してきたわけです。






ふき は、

学生時代の級友 や、
自分の会社の同僚 の中に
たまに いた、

『自分、(霊が)見えちゃう
人なんですよ〜』
などと、

口走っていた
人たちのことを
思い返していました。






彼らが、
ちょっと自慢げ
語っていた『霊能力』が、

実は、

「自分を立派に見せたいが
ためのウソ」
であったり、

「深刻な病気の、症状の1つ」
だったのでは…?
と 思うと、


腹立ち と、

なんともいえない
同情 が わかずに
おれないのでした…








それにですね…



ミューラー
腕組みをして続けます。




もし 仮に

『生まれ変わり』
というものが
実在したとしても…


それが一体、
何の役に
立つのでしょう?





は??

  




キョトンとしている
ふきかみね に、

ミューラー
さらに こう続けました。








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