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『感謝』って 何だろう?


■『感謝』って 何だろう?
(7/8)


『歴史を変えた発明・
歴史を前進させた発明』





ちなみに、

生物にとっての
一番の「しあわせ」
は、

『 自分自身と、
自分の子孫(DNA)の
生存確率が、向上すること 』

ですが…

第4章『生存本能で「幸せ」を考える』



その本質に
立ち返って考えると、

他者から 最も
「感謝」される行為
とは、

『 他者や、
他者の子孫(DNA)の
生存確率を、
向上させる行為 』


と 言えるかもしれません。





そう 気付いてみると、

「今、当たり前のように
世の中に存在しているもの」

の 中にも、

それがある事によって、
多くの人々や 動植物などの
生存確率を向上させている、


『「感謝」を忘れるべきでは
ないもの 』
も…


この世界には、まだまだ
たくさん 存在する ように、

ふき には
思えてくるのでした。





ふき が そんな思いつきを
ミューラーに 話してみたところ、

トンビ紳士は、
とても うれしそうな顔で、

急に こんなことを
話しはじめました。





実は、ふきくん。

私、今回の話をしながら、
『とても おもしろい偶然だ』と、
ずっと 思っていたのです。




ふきくん は、

『 歴史を変えた 発明 』
『 歴史を前進させた 発明 』


というものを
ご存知でしょうか?





「 面白い 偶然 」…?

「 歴史を変えた 発明 」…?


…ですか??




 



【下へ 続きます】



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首をかしげる ふき に、

ミューラー が うれしそうに
うなずきました。




はい。

たとえば、今でこそ
当たり前のように使われている
『 筆記用具 』ですが…

当然ながら 昔は、
こうした物は
存在しませんでした。




そのため、

当時の人間さんたちに
どんなに 素晴らしい知識
があっても、

それを 伝えたり
残すための手段は、

あくまで『 口述 』
『 記憶 頼り 』で…




伝わる範囲も
限られていました
し、

「伝言ゲーム」のように
途中から『勘違い』が
混ざったりもしていた

と思うのです。




そういえば ふき も、

ゲームアイディアをメモするための
小さな筆記用具 を、
いつも ポケットの中に
入れています。





これが無いと、

すごく良いヒラメキ
あったときも、
しばらくすると
その細部を忘れてしまい…



たしか あの時に、
なにか バッチリな
「ゲームアイディア」

浮かんだはずなのに…

ああ、
メモさえしておけば…



…と、深く後悔 することが、
たびたび あったためです。






しかし 人間さんたちは、
その長い歴史の中で、

『 筆記用具 』という
偉大な発明
手に入れられました。




それによって
人間さんたちは

お互いの知識を
「記憶」ではなく、


『記録』として
長期にわたって共有

できるようになり…




『伝達時の誤差も、
大きく減らせる』

ようにもなりました。




それが、今のような
高度な文明
築くうえでの、

大きな足掛かりの 1つ
だったのではないでしょうか?




 



【下へ 続きます】



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ミューラー の話を聞いていた
かみね も、

自分の手の中の
スマホ(みたいなもの)を
やさしくなでながら
言いました。




『コンピュータ』
『インターネット』も、

「人間さんたちの歴史を
見違えるほど大きく
前進させた発明」

の 1つですよね。




今では、
この世界に生きる
多くの人間さんたちが、

「パソコン」や「スマホ」
といった端末を通じて、

まるで、
『インターネット』という
巨大な知識体の
細胞1つ1つ

のようになって…




日々、

『 お互いの 膨大な知識を
共有したり、積み上げたり
しつづけている 』

のですから…





言われてみれば、
現在 20代の ふき
生まれる少し前までは、

一般の人々にとっての
「コンピュータ」「マイコン」
という物は、

一部の お金持ちや、
マニアックな人々だけの道楽

のような存在だったそうです。






現在のように、
『 コンピュータの無い世の中を
想像するなんてムリ 』

と 言われるほどに、

誰もが気軽に
パソコンやスマホを使って、
自在に情報をやり取りするような時代

が 来ることを、


あの当時、
はたして、何人の人間が
予想できたことでしょう??








あたしは、

「これ」を作ったやつを
褒めてやりたいね…




考えこむ ふき の そばで、

ネック が、
愛用の『 陶器の ごはん皿 』を、
前足で なでました。




前に あたしを飼ってくれてた
人間の おじいさん
家にいたころは

当たり前 みたく
使ってたけど…




ノラになって、

地面に落ちてるものを
そのまま食べなくちゃ
なんなくなってみると

『「お皿」って
便利だったんだなぁ…』

て ビックリしたよ。




あの公園の近所の人間が、
あたしの ご飯を
「お皿」に入れて持ってくる
ようになったときは、

『 食べ物が 汚れない 』
ってことに、

あらためて、
すんごく感動した
のを
憶えてるなぁ…





ネック
そう言いながら、

爪の先で「ごはん皿」
軽くはじくと、


チィン という
陶器の涼しい音色が、

ふきたちのいるリビングに
さわやかに広がりました。


  




そんな陶器の響きが
静まる頃…


ミューラー が、
少し寂しそうな顔で、
こんな話を はじめたのです。








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