★ 僕は どうして、この公園に…?(3/3)
(記憶をなくした会社員「ふき」登場)





子供のころは、

お小づかいをためて買った
「天体望遠鏡」を片手に、

星空を眺めてまわった
ふき でしたが…



最近は 仕事の忙しさ
などで 疲れはて、

ゆっくり夜空を見上げる
心の余裕も、

すっかり
無くなってしまって
おりました。








でも、今こうして

なつかしい星座に
再会して、

なにか、
旧友に出会ったような
おだやかな心地

広がり…




ふき は、先ほどまでの
「漠然とした不安感」が、

サラサラと崩れて

消えていくように
思えるのでした。








…と、その時、

ふき は 何かに気づいて、

自分の脇を
見おろしました。







自分の座っている
同じベンチの上…

自分の すぐ隣に、



小さな白いメスの野良猫 が、
チョコンと座って、

彼のほうを
見上げていたのです。









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