サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第2章『それって、しあわせ?』
南方からの客人


■ 南方からの客人(4/5)

『あの 冬の海の思い出』





そうです、そうです!

いやぁ、あの時は
本当に助かりました。


冬場で なかなか
食料が見つからず、

困りはてていたのですが…




あの時、ふきくん に
譲っていただいた
おいしい食べ物 の おかげで、

なんとか 家族全員、
当座をしのぐことができた

のですから…





『あの「肉まん」は、
あげたんじゃなくて、


あんたがムリヤリ
オレから盗っていった

んじゃないか…!!』


…と、激怒しかけた
ふき でしたが、

ここまで 素直に感謝される
悪い気は せず…



また、
この 紳士的なトンビ
こうして話をしていると、

あの「ミジメな 冬の海の記憶」も、

なにか 大切で 運命的な、
『あたたかい出会いの 思い出』

に 思われてくるのでした。

  




このトンビ、
なぜか 人間の言葉も
しゃべれる
ようですし…


ちょっと
うちにあがってもらって、
いろいろ ゆっくりと
語り合ってみたい…



ふき は、そんな気持ちに
なってきたのでした。




いや〜、

トンビさんの ご家族に
そんなに喜んでいただけたのなら、

肉まんを さし上げた
オレとしても、鼻が高いですよ。




ま、ま、
汚いところですが、
とりあえず 上がって
くつろいでください。


自分「一人暮らし」なんで、
なにも 遠慮されることは
ありませ… あ!





そのときになって ふき は、

今の自分が
「一人暮らし」ではない
ことに 気づきました。








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