サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第2章『それって、しあわせ?』
頭脳明晰トンビ「ミューラー」


■ 頭脳明晰トンビ
「ミューラー」(3/3)


『トンビをまじえて、
討論再開!』





なんと! そうでしたか。

すでに
ふきくんと ネックさんの
「お話し合い」は、

始まっておいで
だったのですね?





私のような 鳥ふぜいが
おこがましいと
思われるでしょうが…


遅ればせながら 私も、

その お仲間に
加えては いただけない
でしょうか?





もちろん OK よ、
ミューラー


あんたが来るまでは、

あたしも なるべく、
ふき「説明」はしない
ようにしてた
のよ。





こっからは シッカリ、

『あたしの フォロー』
すんのよ?






ネック の 言葉に、
ふき が 凍りつきました。




そ、そういえば、
さっき ミューラーさんは

ネックさんの
手伝いに来た』

とか なんとか…





これから おそらく
展開されるであろう
ふきの しあわせ』への 反論
において、

この「口うるさい白猫」に、
『頭の良さそうなトンビ』
まで加わったら、

自分は どれだけ
不利になることか…

と 思うと、


ふき は 目の前が
暗くなりました。


   





ただ、
当の トンビ紳士は、

ネック の フォローのため」
というよりは、


純粋に、
『幸福』についての討論に
混ぜてもらえることが
うれしくて たまらない

という感じです。







( ここは しばらく、

様子を見てみるか… )



ふき は、
そんなふうに考えました。





さて、

そんなこんなで、
部屋の真ん中で
輪を作って座り、

お互いの顔を見つめる、
1人と、1匹と、1羽…

  




ふき ご自慢の「幸福」の、

一体どこが、
ネック の お気に
召さなかったのか…



『生きる意味の「正体」』
についての
討論の火ぶたが、


今 あらためて、
切って落とされました!








…ただ、

そんな
ワクワクドキドキ
空気の中にあって、


ふき は 頭の片隅で、
なにか釈然としないもの
感じておりました。






たしかに、
あの冬の日、ふき は、

ミューラー
肉まんを盗られる」

という、

ビックリの事件に
遭遇しましたが…



なにか もう1つ。

『とても 重大な事件』
が、起こっていたような
気がするのです。






気のせいかなぁ…


まあ、「思い出せない」
ってことは、

その程度の事件だった
って 事なんだろうけど…




そんな独り言を
つぶやきながら、

首をかしげ、
苦笑いをする ふき を、


ネックミューラー は、

ただ 、静かに
見つめるのでした…



  






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