■ 尊敬の無い「友だち」は、単なる知人 (2/2)





ふき も意外と やるもんだねぇ…

まさか、5人も親友がいたなんて…


ねぇ、ミューラー





ミューラー も、
感慨深く うなずきながら、

しみじみと うれしそうに、
こう答えました。




まったくです、ネックさん。

まさか 「5人」 もの ご親友を
ふきくん が、お持ちだったとは…


実際、今の ふきくん の
お話をうかがってみても、

たしかに お相手の方々は
「親友」 と呼ぶにふさわしい条件
そなえていらっしゃるようです!







最初は、イヤミを言われているのかと
思った ふき でしたが、

白猫とトンビが称えてくる姿は
真剣そのもの。


意外な展開に、
ただただ 2匹を見つめて
ポカン… とするばかりでした。




ただ、ミューラー の言葉の中に、
1つ 明確に気になるものがあったので、

まずは そこを、
たずねてみることにしました。





あの… ミ、ミューラーさん。


今 言った、

「親友 と呼ぶにふさわしい条件」

て、何のことですか??





『尊敬』 ですよ、ふきくん。



…尊敬。







これは、どんな交友関係でも…

それこそ、「家族関係」 でも通用する
普遍的なものなのですが、


「尊敬を感じる相手」 とのお付き合いは、
とても長続きする本物の交友
なのです。



逆に、相手の 「尊敬できる部分」 が
減った・無くなった
と感じると、

お付き合いというものは、
アッというまに
疎遠になってしまいがちなのです。







言われてみれば、

先ほど ふき が、ネック たちに、
「5人の親友」 について
狂乱ぎみに説明した内容は、



偶然ではありますが、

ふき が、彼らの どこを尊敬しているか」

「彼らは、ふき の どこを尊敬してくれているか」


といったものが、
ほとんどでした。








先ほどの お話をうかがって、私は、

ふきくん が、ご友人の
性格や得意分野を
尊敬していること…


一方で ご友人の皆さんも、
ふきくん の性格や得意分野を
尊敬してくれているらしいこと
を、

ひしひし と感じました…






それで、確信したのです。

「ああ。 これは本物の交友関係だ…」 と。



人によっては、出会いの縁などが無くて、
それこそ1人も そうした相手に
巡り合えないまま、一生を終えてしまう
ケースもある
という話ですが、

ふきくんは、すでに それを
「5人」 も お持ちの ご様子…

これは 相当の 「幸福」 と称しても
間違いないのではないでしょうか?









交友の基本は、『尊敬』…


ふき は、そんなこと、
考えたこともありませんでした。







でも、言われて
過去の 他人との付き合い
1人1人 振り返ってみると、

思い当るフシが
いくつも出てきます。





また たとえば、
ふき も若い頃は 反抗期 で、
よく親に食ってかかったものでしたが…


あれも、

小さなころは神様のように
立派だと思っていた両親が、

学生になって色々なことが分かってくると、
実は親も、普通のありふれた人間なのだ、
と気づいた
ことで、

自分の中の、親への 「尊敬」 が薄れ、

相対的に 親に嫌悪感を感じ、
反抗期に入っていった…


と考えると、
納得がいくように思えるのです。








ふき って バカだけど、

たまに こういう良さが あんのよね。


だから あたしも
なかなか見捨てらんなくてさw






まったくですね!


いや〜、私も、ふきくん に会うために、
半月間、人間さんたちの社会について
猛勉強してきた甲斐が
あったというものです。







「見捨てる」 て、なんだよ ネックさん!?


「まったくですね!」て、
どこまでの範囲で
ネックさん に同意してるの、
ミューラーさん!?

まさか、『バカだけど』 も含めてとか???






猫 と トンビ に、

褒められてるんだか
ケナされているんだか
分からない言葉をあびせられて、

なんとも心境複雑な ふき でしたが…



最後に ミューラー は、
こんなことを言ったのでした。





私、思うのです…


仲良くすることは、もちろん
大切なことだとは思いますが、

言いたいことも言わず、
ケンカも 言い合いもしない…
できないような関係は、

ものすごく空しいというか、
悲しい間柄ではないでしょうか?


「ケンカをしない = 仲良し」 では、
決して ないんですよね。





その意味では、

歯に衣着せぬ 言い合いのできる
ふきくん と ネックさん は、

意外に 『親友』 に近い関係
いらっしゃるのではないでしょうか?






これも また、

ふき が、今まで考えたことも
無いような見方でした。




ネックさん と、オレが、親友…






ふき にとって、あまりに意外で
ピンと来ないような、

でもちょっと
照れくさいような話なので、


ちょっとドキマギしながら

「ど、どうなんスかねぇ、ネックさん」




と、うかがってみると…





当の白猫は、




へっ




…と、鼻で笑っておりましたが。



・ ・ ・ ・








「尊敬」の ともなわない、
単なる損得関係で
つながっているだけの交友は、

あくまで 単なる 「知人」 です。



そんなものを無闇に増やしてまで
安心感を得ようとする…

そんな人生が 「しあわせ」 だとは、
私には とても思えないのです。


逆に、どんなに少数でも、
互いに ゆるがない尊敬で結ばれた
『親友・家族・仲間』 を持てている方は、

本物の 「人生のしあわせ」 の1つを
獲得している人
と、
言えるのではないでしょうか?





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