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第2章『それって、しあわせ?』→ 『恋人』がいれば、本当に幸せ? |
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ふきくん にとって、 あの女性は、 「とても 大切な方」 なのだと思います。 | |
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しかし、 「恋愛」というものは、 『自分 と 相手』の 心によって 生まれるもので、 「片方だけの思い」では 決して 成立しません。 | |
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そこで どうでしょう? 先日 お話しした 『 友情 』の 延長として、 今回の『恋愛』について 考えてみませんか? | |
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『友情』の 延長…?? | |
首をかしげる ふき に、 ミューラー は こう 質問しました。 | |
ふきくん、 『2人が 親友になるに あたって、必要なもの』 は 何だったか、 憶えておいででしょうか…? | |
そういえば 先日、 そんな話をした 記憶があります。 ミューラー が、 『どんな交友関係でも通用する、 普遍的なもの』と 称していた、 それは… | |
そうだ… 『尊敬』! | |
たしか ミューラーは、 そんなことを 語っていました。 …ということは、 ふき が「彼女を尊敬し」、 彼女が「ふき を 尊敬してくれて」いれば、 2人は『恋愛』という 人間関係において、 良好な間柄を築けている と、考えられるわけです。 ふき は 早速、 「彼女の良いところ」… 「尊敬できるところ」を、 考えてみることにしました。 | |
えーと、まずは… やっぱり あの、 顔 と スタイル だよね〜。 「人間 顔じゃない」とか 言う人もいるけど、 顔がイイに越したことな… | |
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はいはい、1つ目は 「顔 と スタイル」ね? 尊敬というのとは ちょっと 違う気もするけど、 まぁ OK でしょう。 …で、それ以外には? | |
余分な注釈を くわえはじめた ふき を さえぎって、 ネック が 次を要求しました。 | |
他には… そう。 『クール』だよね〜 彼女! オレと一緒のときも、 口数が少なくて 物憂げな感じが もう最高! ベラベラしゃべってばっかの ガキっぽい女には無い、 「大人の魅力」ってやつを 感じるよ。 | |
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あんたに興味が無いだけ だと思うんですけど。 | |
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今日のデートで ふきくん と 話しているときも、 彼女さん、ほとんど スマートフォンから 顔を上げませんでした ものねぇ… | |
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なんなんだよ、 君らは!! | |
ふき に 半泣きでキレられ て、 ミューラー は ビックリ 慌てふためきました。 ネックは、 「へっ」てなものでしたが。 | |
そ、それでは 次は、 『彼女さんのほうは、 ふきくん の どういう所を 尊敬しているか』…? そこを 考えていきましょう。 | |
ミューラー が 冷や汗をぬぐいながら、 ふき に 先をうながしました。 ところが、 ここで ふき は、 腕組みをしたまま 押し黙ってしまったのです。 |
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どうしました? ふきくん。 | |
首をかしげる ミューラー に、 ふき は 苦笑しつつ 答えました。 | |
…いや、 「自分が、彼女について 思っていること」なら もちろん 分かるんだけど、 『彼女が、オレについて 思っていること』は、 ちょっと… 見当も つかないなぁ… | |
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そりゃあ そうよね。 あんたは 「超能力者」じゃない んだから… | |
ネック が、ふき に 助け舟を出しました。 | |
でも 安心しなさい、ふき。 本物の「超能力者」の 『かみね』が、 ちゃーんと、 『あんたの彼女が デート中に 何を考えてたか、 読み取っておいた』から。 | |
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は? 「読み取る」? 何それ?? | |
愕然とする ふき に、 ミューラー が 説明します。 | |
実は かみねさんたちは、 他にも いろいろと 不思議な能力(神通力)を、 使えるそうなのです。 その1つに、 『読心術』という ものがありまして… | |
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ふきくんのデートを 拝見しながら、 『他者の考えていることを 読み取れる』その能力で、 「彼女さんの心」も、 調べてくださった のです。 | |
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そそそ、それで彼女は どんなこと 考えてたのっ!? | |
半年近く 付き合いながら、 いまだに 彼女の考えていることが よく見えない ふき は、 「今後の 突破口」に なってくれるかもしれない情報に 目をランランとさせて 食いつきました。 | |
い、いえ… 私も、かみねさん から 聞いた話なので、 詳細は 分からないのですが… | |
つかみかかってきそうな ふき に、 うろたえつつも、 ミューラー が 返した答えは… | |
『ほぼ デートに関係ない ことばかり 考えているようです』… とのことでした。 | |
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手元のスマホで、 メール や SNS の チェック、 今日の天気や テレビ番組の 確認… あとは もう、 「帰ってから 何しようか…?」 みたいな 雑多で ボンヤリしたことが、 彼女さんの頭の中で 浮かんだり消えたり していたようですね… | |
しばらく ミューラー を 凝視していた ふき は、 やがて、 そのままペタンと 床に座り込みました… |