■ 「夢」 を、単なる人生の
アクセサリーにしていない?(2/5)






ふきミューラー の鼻息が
ようやく おさまってきた頃、


ネックふき に、
こんな質問を投げかけました。




で、あんたの、

その 何万本だか売れたり

何万回だかダウンなんとか
されるゲームって、

どこらへんまで出来てるの?





あー、いえいえ。

ゲームに詳しくない ネックさん だから、
そんなふうに勘違いしちゃうのも
無理ないとは思うんすけど…


昔なら いざしらず、
今のゲームの制作って、
1人では まず形にすることが
できない
んですよね。

ゲーム中の絵は、グラフィッカーが…

BGM や効果音は、
サウンドクリエイターが…

ゲームの骨格になるプログラムは、
言うまでもなくプログラマーが、

それぞれ担当して
作っていくものなんですよ。





ふき は、ネック が太刀打ちできない
フィールドの話に入ったので、
大喜びで知識をひけらかしました。




そんな ふき の態度に
激怒するかと思いきや、

ネック は 意外にも、
その点はスルーして、

さらに こんなことを
質問したのでした。




ふ〜ん、なるほどねぇ。

で、あんたは
どこを作んのよ?





オレが目指している
プランナー (企画) は、

ゲーム全体の構想や、
ゲームシステムのアイディア
などを担当
します。



だから、今は日々、
ヒマを見つけては、

「アイディア出し」 を
がんばっているところですよ。


いつかオレの作ったゲームを
遊んだ人たちが、

その内容に驚く顔が、
目に見えるようですね〜〜





ふきの脳内には、
今 実際に その光景が
見えているようで、

中空を見つめた その顔は、
トロ〜ンと ゆるみきるのでした。










ミューラー
話を聞きながら、

何度も 「うんうん」 と
うなずきました。



なんだか、

聞いているだけでは
もったいないような お話ですね…


どうでしょう、ふきくん?

「今できている範囲」 で
構いませんので、

その ゲームアイディアを、
私どもにも見せていただけない
ものでしょうか?




え…!?






流れとしては、
ごく当然のものだったのですが、


なぜか ここで、
ふき が固まってしまったのです。





その姿に、ミューラーは首をかしげ、






ネック も当初は
怪訝な顔をしていましたが、

すぐに察して、
「はは〜ん」 という
顔つきに なりました。










ねえねえ、ふき

ミューラー
「アイディア見せて」って
言ってるよ?


あたしも ぜひ
見せてもらいたいものね。

あんたの 「大傑作」
原石ってやつを さ。






ふきは、困惑した顔のまま、
自分の机に歩いて行きます。






そして、何度か ためらいながら
引き出しを開け、

その中から
「大きな封筒」 を取り出し、


何度か ためらいながら、
ネックミューラー のもとに戻って、

その中身を
床に広げたのでした。







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