サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第2章『それって、しあわせ?』
将来の『夢』が あれば、本当に しあわせ?


■ 将来の『夢』が あれば、
本当に しあわせ?(4/5)


『詐欺師・カルト団体は、
「夢への熱意」を持つ人を
食い物にする』





ここで ミューラー は、

また ちょっと
困ったような、
難しい顔つき
になって、

こんな話を 始めました。




『夢』へと
猛然と 突き進む人には、

たしかに
「勢い」「熱意」がある
と 言えますが…




一方で その
「まっすぐ過ぎる思考」は、

ときに
『カルト団体』の 食い物に
されてしまう危険
とも
隣り合わせな所があります。




『カルト団体』…?




あんたも どっかで
聞いたことあるでしょう?

『▲▲教団』とか、
『■■セミナー』とか、
『●●サロン』とか…




ま、全部が全部
そうってわけじゃじゃ
ないけどさ。





ネック に 言われて、
ふき も 思い出しました。





以前、ふき の 会社の同僚 に、

『すごく 人生のためになる
セミナーが あるんだ!』
と、

連日 ものすごく しつこく
誘ってくる男がいたのですが…



後になって、そのセミナーを
主催していた団体
が、
大規模な 詐欺集団
あることが発覚し、



もし うっかり
「セミナー」に出席してたら、

自分も 取り込まれて、
悪事に加担する側に
なっていたかも…



と、冷や汗をかいたことが
あったのです。



その後 その同僚は、
会社に居づらくなって
退職
しましたが、

最後の最後まで

『あれは 俺らのセミナーの
成功を ねたむ連中が、
裏で政府と結託して
妨害してきたんだっ!


言論の自由の 侵害だっ!!』


…と わめき散らしていたのが、
ものすごく怖かった のを、
よく憶えています…






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また、先日
『●●オンラインサロン』
に入った 女性の同僚は、

「夢を実現するために、
1秒でも時間が惜しいんです!」

と 言って、

すぐに会社を
辞めてしまった
のですが…






以来、たまに彼女の
SNS上の発言を見てみると、

『会社を辞めて以来、
毎日が キラキラしています!』

『自分らしく生きるために、
毎日 インプット(勉強の事らしい)
を 欠かしません!』

『日々 バージョンアップ
(成長の事らしい)している
自分を感じます!』

『全ての物事に感謝!!!』


といった、

現在の具体的な成果が
さっぱり見えないもの
が 並び…



それも 最近は、
かなり 途切れ途切れ
で、

実生活も、夢も、
相当に困窮している

ようです。







『夢』というものは、
「人生の 目標点」です。




ですから
人によっては、

「そこに 一直線で近づくこと」
ばかりに集中
しすぎて…




『周りへの 注意』が
おろそかになってしまう

場合もあるのです。




そんで、
「詐欺師」なんかに
ダマされやすく
なっちゃう
わけね。





ミューラー が、
寂しそうに うなずきました。

 




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『特に「若者の夢」は、
カルト団体の食い物に
されやすい』





そもそも、
『夢を追う』という行為は、
『孤独』との戦い
でもあります。


自分の夢を かなえる力
究極のところ、
「その本人しか」持っていない
からです。




『孤独』は、

人の心を 深い「不安」に
おとしいれます。




そんな 不安な心理状態
のときに、

『夢に向かう あなたは
素晴らしい!』


『あなたの夢が かなうよう、
我々も全力で「お手伝い」
いたします!』


といった言葉で 近づいてくる
人間がいたとしたら、
どうなるでしょう?




きっと、

すんごく魅力的な『仲間』
みたいに 錯覚 しちゃう

でしょうね。




ミューラー
うなずきました。




それが、
『カルト団体』の
常套手段
です。


詐欺をはたらく人々は、
「悪い意味で」本当に
心理学に長(た)けている

のです。




誰もが心の中に
大切に持っている『夢』
巧みに オダてあげ て、

結局は
自分たちの団体の
「使い走り」や「収入源」として
取り込んでしまう…




特に『若い方』は、
人生経験が希薄な分、
「将来への 不安」も大きい

ものです。


そんな状態にある人が、
先ほどのような
「甘い言葉」に加えて…




『「夢」を無くした
大人たちには、
若者の「夢」の素晴らしさは
決して理解できません!』


『若者の「夢」だけが、
世界を変えられるのです!』


などと 吹きこまれたら、
どうなってしまうでしょう…




周りの人間(特に大人)を
信じようとしない


『カルトに いいように
踊らされるだけの
アホ若者』
が 爆誕するのも、

無理ない話よね〜




  




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さらに 困ったことに、
取り込まれた本人たちは、

自分は『自分と同じように、
夢に向かってまっしぐらな人々』
の 中にいる

錯覚しているので…




「自分の仲間」だと信じ込んでいる
その団体の利益のために、

死に物狂いで
働いてしまいます。




それが 結果的に、
『自分の夢をかなえること』
『仲間同士 助け合うこと』
に つながっていく
と、

カルト団体から教えこまれ、
自分自身でも信じ込もうと
してしまう
ためです。




 




彼ら・彼女らが、

自分たちのカルト団体の
「素晴らしさ」
(?)を
死に物狂いで 周りに
宣伝
しようとするのも、
その一環なのですが…




そんな事をすれば 当然、

さらに 周りの人々との
関係・信頼を失い、


人生を崩壊させ、
「夢」から遠ざかってしまう

ばかりです…




その 人生崩壊の
最初のキッカケ


『自分自身の 夢』
であったことを考えると…


本当に
皮肉な話 ですよね…





ふき は 聞いていて、

なんとも言えない気持ち
なってきました。






『夢』は、たしかに
素晴らしい…


間違いなく、
「人生の しあわせの1つ」
であり、

人の心を
熱く燃やしてくれる

側面もあります。




でも、

本人が そのコントロールを
1つ誤れば、


爆発的に燃え上がった「夢」は
『ブレーキが 効かない
暴走車』



先ほど ミューラー が語っていた
『夢 暴走族』
と 化して、

何かに激突するまで
猛スピードで爆走
し…



その本人や、

ときに 周りの人々までも
巻き込んだ
『人生の 大事故』
を 起こすまで、

決して止まることは
できないのです。



 




これまでは、
無条件に美しい「しあわせ」
見えていた『夢』が、


今の ふき の 目には

『使いかた次第では
身を滅ぼす、
取り扱い厳重注意の 燃料』


のようにも
見えてくるのでした…







誰かさんが
「自分の夢」(詐欺による金儲け)
をかなえる
ために、

「他人の夢」を 踏み台にする
わけか…




怖いよねぇ、

「人間ども」って。





ネック は、
人間を小馬鹿にするような、

でも、
深刻な気配も含んだ
そんな言葉を、

ポツリと
もらしたのでした…


 




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