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第3章『しあわせ の「正体」』→ もし『お金』が 無限に手に入ったら? |
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『1兆円』もの お金があったら、 そうだなぁ… まず、 もう 働いたりなんかせず、 一生 遊んで暮らしたい なぁ。 | |
あんた、 『仕事は 社会貢献だ!』 とか 言ってたくせに…? 呆れ果てる ネック でしたが、 そのあたりの素性は 先日 ふき から 事こまかく聞いたので、 今回は スルーしておく ことにしました。 | |
なるほど、 ふきくんは 「時間的な 余裕」が 欲しいわけですね。 | |
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調べてみたところ、 この国で人間さんが 人並みの暮らしを するためには、 『生涯で、2〜3億円』 の 資金が必要 だそうです。 | |
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ということは、 「1兆円の 使い道のうち、 2〜3億円分」は、 ふきくん ご自身が 働かずとも生きていけるための、 さまざまな「諸経費」に 使うことに いたしましょう。 | |
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でも、まだあと 「9997億円」ぐらい ありますよ、 ふきさん? 残った お金で、 何をされるんですか? | |
あふれるほどの自由な時間 が 手に入った。 次は… | |
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欲しい「ゲーム」とか 「音楽CD」とか「本」とか、 いっぱいあるんだよな… それ 買っちゃうよ! | |
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時間も たーーっぷり 出来たわけだし、 遠慮なく ガッツン ガッツン 遊びまくるぞ〜〜!! | |
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分かりました。 それでは 思い切って、 『それぞれを 1万本ずつ買った』 と 考えて 計算してみましょう。 | |
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大ざっばに、 ゲーム で 5000万円、 音楽CD で 3000万円、 書籍 で 2000万円 ぐらいを 使うことに なりそうですから… | |
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全部 足すと、 1億円 ですね。 残り、9996億円 という所ですか… | |
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ぜんぜん 減らないじゃん… てか、ゲームとか 「1万本」も買っちゃって、 死ぬまでに 遊びきれんの? | |
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「1日1本」 クリアしたとしても、 30年 ぐらい かかっちゃいますよね… | |
ふきは、 30年間 1日たりとも 休むことのできない ゲーム漬けの 地獄の人生 を 想像して、 吐きそうになりました… |
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よ、よしっ、 旅行だ 旅行! パーッと 5年ぐらい 世界中をまわって、 贅沢の かぎりを つくしてきてやる! | |
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分かりました。 交通費や 宿泊費など、 細かいことは抜きにして、 「1日 100万円 使う」 と考えて 計算してみましょう。 | |
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5年間で、 約 1800日ですから… 必要経費は 『18億円』ですね。 | |
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残り、9978億円… やったぁ、ふきさん。 ついに 10億のケタの数字が、 「9」より小さい数字に なりましたよ? | |
飛びはねて喜んでいる かみね を見て、 ふき は、複雑な苦笑いを うかべるのでした。 | |
ほらほら、ふき。 休んでんじゃないわよ。 残った 9978億円 で、 何すんの? | |
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ごごご 『豪邸』を 建てちゃうぞ! 芸能人が… いやいや、 世界の大富豪が 住んでるような、 ありえないぐらい 滅茶苦茶にゴージャス なやつを! | |
すると かみね が、 ポチポチと スマホ(みたいなもの)を 操作しはじめました。 | |
すごいですよ、 ふきさん! 外国の 大富豪さんたちって、 1000億円 ぐらいする お家で 暮らして いるそうです! | |
そう言いながら かみね は、 検索した 数々の 豪邸の画像 を、 ふき に 見せてくれました。 | |
( いや、これもう 「家」じゃないよ… ビル か お城 だろ… ) | |
ふきは、 写真の豪邸のような 広々すぎる空間 の中に 住んでいる 「ちっぽけな自分」 を想像して、 なんとも 陰鬱な気分に なってしまいました。 | |
でも、 あと まだ、 9000億円 ほど 残っていますよ? ふきくん。 | |
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ふきさん、 がんばって がんばって! | |
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とっとと 悪い頭 しぼって 考えなさいよ! この エセ大富豪! | |
3匹に せまられて、 ついに ふき は 涙目になってしまいました。 | |
む む む 無理だよ! 『1兆円』なんて 使い切れないよ!! | |
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『無限のお金』を 持たせてやるって 言ってんのに、 たかだか 「1兆円」の はした金で 泣きごと ほざいてんじゃないわよ、 ヘタレ!! | |
ふき の 憐れな絶叫が、 リビングに コダマしました。 なんで こんな 理不尽な理由で、 ネック のツメの一閃 を 食らわなければ ならないのか…?? 『これが 金持ちの苦悩か…』 ふきは、痛みで 床を転げまわりながら、 意味不明な悟り に 達し、 かみね は 真っ青になって 右往左往… そんな修羅場を 物ともせず、 ミューラー は ゴーイングマイウェイ に 説明を続けます。 | |
たしかに、 「お金」が 大量にあれば、 資本主義社会に おいては、 その行動の 可能性は 大きく広がります… | |
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でも、 ふきくん自身に 「知識」や「選択眼」が 無ければ、 巨大な「お金の力」を 手に入れたとしても、 「有効活用」することは 難しい… | |
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「その人自身の能力」に 見合った「お金の力」が あってこそ、 はじめて お金は、 しあわせを得る『手段』 に 成りうるのであって… | |
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決して、 『お金』そのものが 「しあわせ」の本体 というわけではない… という事が、 お分かりいただけたのでは ないでしょうか? | |
ミューラー の そんな言葉が、 痛さで 床をのたうちまわる 今の ふき の耳に、 届いたかどうか は、 はなはだ 疑問ですが… |
この国の人々の個人収入は、 決して「生きるか死ぬかギリギリ」 というほどではありませんが、 「何かを成そう」としたとき、 あまりに中途半端で 物足りないように思えます。 切羽つまっては いないけれど、 大きな行動を起こすには 躊躇する資金力… ある意味 それが、 この国の人々から 積極的な お金への探求を阻害し、 「気力」や「思考」を 奪ってしまっている のかも知れませんね。 |