サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第3章『しあわせ の「正体」』
もし『健康』が 無限に手に入ったら?


■もし『健康』が 無限に
手に入ったら?(2/3)


『私たち「神さま」は、
こんな存在です!』





えーと…

実は、私たち自身も、
「自分たちのこと」が
よく分かっていない
んです。





え! そうなの??




驚く ふき に、

かみね
うなずきました。




『神さま』という名称も、

「自分たちで付けた」のか、

「人間さんの誰かが
そう 呼びはじめたものなのか」

も、分かっていません…





200年や 300年は
普通に生きられる
ので、

世の中の 生物さんたちよりは
はるかに「長生き」ですが…


皆さんのように
「結婚」したり
「子供」を残したりは
しない
んです。





私たちは なにか、
『生き物の皆さんの 思い』
みたいなものに
反応するらしく、

社(やしろ)のような
神聖なところに
いつのまにか生まれて、

自由に移動したりも できて





ものすごく ゆっくりと
歳をとりながら、

気がつくと
「無くなって」いたりする
みたいですね…





「病気」になったりとかは、

ないの?





ありません。

ただ、自分が生まれた辺りが
廃(すた)れたり、

社(やしろ)が
無くなってしまう
と…





「生物の皆さんの思い」が
消えていってしまうのか、

そこで生まれた「神さま」も、
いっしょに 消えてしまったり
するようです。





生物の皆さんからは、
普通は見えない
わたしたち「神さま」ですが、

『生物の皆さん無しには
存在できない』、


そんな 命なのかも
しれません
ね…





民話か なにかで、
似たような話を
聞いたことがあるように、

ふき は 思いました。








あと、そうやって
長く生きていると、

『神通力』と言いますか、
不思議な力 が 使えるように
なったりもします。





こちらの ネックさんも、
あの公園に住むようになった頃、

たまたま
公園のそばにあった
うちの師匠の 住まわれる社」
の 敷地に入られて…





偶然にも、
『社をおとずれた
800万匹目の 動物』

になり、

記念に、神通力で、
『3つの お願い』を
叶えてもらえる
ように
なったそうです!





それで ネックさん、

その お願いの1つで、
「人間さん並の 知能」
をもらって…


公園で何年か
暮らしているうちに…





今のような、
『さまざまな 深い思考』が、

できるように
なったのだとか…





かみねちゃんたちって、
そんな事まで
できちゃうの!?

すごいなぁ… 万能 じゃん??




ふきは、

この、ちょっと頼りない、
あどけない キツネ娘 が、

ものすごく荘厳
見えてきました。









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『世界に影響を与えられない、
寂しい 神さまたち』





ふき から
尊敬の まなざし
向けられていることに
気づいた かみね は、

あわてて、
こんな 訂正 を加えるのでした。




あ、でも 実のところ、

そんなに大したことは
出来ないんです。


なんというか、
『世の中に直接 影響を与える
ようなことは無理』


みたいな…





だから あたしも、

キツネの じいさん
かなえてもらう
『願い』を 選ぶときに

苦労させられた わよ…





「あれはできない」
「これはダメ」て、

『 このジジィ、実は 口ばっかの
エセ神さま なんじゃね? 』


て 思ったもんね。





し、師匠の悪口
言わないでくださいっ!





かみね が 半泣きになって
ネック に つかみかかりますが、

ネックは スルリと
それをよけて、

離れた場所から
鼻で笑うのでした。

 






でも、
『スマホ』も 持ってるし、

結構「文化的」
なんじゃないの?

神さまたちも?





ふき の質問に
ハッとした かみね は、

袖の中から スマホ
取り出して、言いました。




これ、

人間さんたちが
楽しそうにスマホを
使っている
のが
うらやましくて、

私が 個人的に「まねて」
作ってみたものなんです…





だから、
見た目はスマホみたいだけど、
『スマホじゃない』
んですよね…

「神通力」で
空気中の電波を拾って
データを読む
ぐらいは
できますが、

こちらから書き込んだり
とかは できない
んです…





「ダウンロード」は
できても、

『アップロード』は
できない…


という感じですか。





だから、
ふきさん にも、

SNS で「ともだち申請」
できない
んです…





そ、それは まあ、

別に いいんだけどね…





と、ここまで話した
かみね は、

何か とても
しみじみとした感じ で、

こう 結んだのでした。





なにか、

わたしたち
「神さま」という
存在自体が、

そもそも
そういうもの
ようですね…





「長く生きること」は
できるけれど、


『世の中に 直接は
かかわれない』…

みたいな…




  



【下へ 続きます】



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