サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』→
第4章『「DNAの生存本能」で「しあわせ」を考える』→ それでは、「しあわせ」の 正体とは? |
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まず、「DNA」の 根本的な目的 は、 『 DNA 自身を 生きのびさせること 』 にあります。 | |
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『生存本能』 (せいぞんほんのう) などという言葉で 表現されるものですね。 | |
『生存本能』 という言葉も、 ふき は 聞き覚えがあります。 生物が、 誰に教えられたわけでもなく 生まれついて持っている、 「生き残る」ための 様々な知識(?)の ようなもの… だったはずです。 | |
そして、 われわれの身体の 構成物の1つである 『 脳 』… 私たちの 意識の源 である「脳」も、 DNA によって 作られたもの です。 | |
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すると当然、 われわれの脳 も、 「自分が 生きのびられること」 「自分が 長生きできること」 を、価値のあること… つまり、 『しあわせ』として 認識するようにできている と 考えるのが、自然です。 | |
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…え? ……え?? それって つまり… | |
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人間さんや、 生物の皆さんが 感じている、 『しあわせ』の 正体 って… | |
とまどう ふきたちに、 ミューラー が 深く うなずきました。 | |
そうです。 一見すると 多種多様・さまざま で、 『 人それぞれ 』などと 言われている 「しあわせ」ですが… | |
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実のところ、 DNA の 基本概念である 「生存本能」に 合致したもの … 『 自分の生存確率を 向上させるもの 』 に 対して、 抱く感情に すぎなかった… | |
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その「正体」は、 『 生存本能という たった1本の 「幹」から のびた、 「さまざまな 枝葉」』 に すぎなかったのです。 | |
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ミューラー の この言葉に、 ふき は しばらく ポカーンとして おりましたが… じょじょに頭の中に ミューラー の言葉が しみてくる と、 今度は、猛然と 怒りだしました。 | |
ぼ ぼ ぼ 暴論だっ!! 『 自分が生きのびる事だけが 目的 や しあわせ 』 だなんて、 人間は そこまで 愚かじゃないよ!! | |
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そんな 身勝手な思考しか できないなんて、 まるで、 「ただの動物」 じゃな… | |
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ああん!? | |
「ただの動物」の 白猫ネック が、 ふき を ギロリと ニラみ上げました。 ミューラーも、めずらしく 厳しい目で ふき のことを 見つめています… | |
え… い、いや… だって…… 僕ら 高度な人間 が、 まるで 『 DNA の 奴隷 』 みたいに 言われちゃうと… さ… | |
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い、いや、 「高度」っていうのは 偉そう かも しれないけど… で、でも… でも… | |
弁解するにつれて、 ふき は だんだん 半泣きになってきて しまいました… すると突然、 ネック が 「してやったり」 といった顔で、 ニヤリと ほほえんだのです。 | |
ね、やっぱ ふき のやつ、 言ったでしょ? 『俺ら人間だけは 違う!』 って。 こいつは まだまだ、 こーゆう 思い上がったとこ が あんのよ。 | |
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うーむ… さすがは、 私たちより長く ふきくん と 暮らしている ネックさん ですね。 私は、ふきくん は、 スンナリ 納得してくれる と 思っていたのですが… | |
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ただ、 こっちのほうが、 私も「解説の しがい」 があるので、 楽しいと言えば 楽しい展開ですよね。 | |
どうやら ネックたち は、 ふき の こうした反応を、 ある程度 予想していた ようです。 頭に血がのぼって 放った一言で、 ネックたち を 怒らせてしまった かと うろたえた ふき は、 安心感で 気がぬけて、 その場にヘナヘナと 座りこんだのでした。 |
そんな ふき に、 ミューラー は やさしく こう言いました。 | |
ふきくん、 「 自分だけが 生き残ろうと すること 」… 『 自分の生存確率を 上げようとすること 』は、 決して「愚かなこと」では ありませんよ? | |
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むしろ、 この「事実」を 『 愚かなこと 』だと 決めつけて、 無理に そこから 目をそらして 生きてしまっている からこそ… | |
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今の世の中の 多くの人間さんたちが、 一見「人並み」の 生活を送りつつも、 実は、 本来の『しあわせ』や 『生きる意味』を 見失なったまま… | |
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心の底で もがき苦しみながら、 大切な人生を 『浪費』し続けている のではないでしょうか? | |
ふき は まだ、 言われている意味が いまいち 分からず、 アゼンとしています。 トンビ紳士は、 そんな ふき の両肩を、 自分の両方の羽根で ポンポンと やさしくたたき、 力強い笑顔で こう 宣言しました。 | |
それでは こうしましょう、 ふきくん! 本当に 『 DNA の 真理 』が 正しいかどうかを 証明するために… | |
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ふきくん が 先日まで主張されていた 「しあわせ」を 『 生存本能 』と 照らし合わせて、 検証 してみようでは ありませんか! | |
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「真理」というものは、 『 数学などの公式 』 と 同じです。 さまざまな値を その式に入れてみて、 矛盾が発生しないことを 確認して はじめて、 『まさしく 真理である』 と 言えるのです! | |
「この話が できることが うれしくて たまらない!」 という様子の ミューラー に 誘われるまま、 こうして ふき の 「しあわせ」探求の討論 は、 思わぬ方向へと 走り出したのでした。 |