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サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』→
第5章『「DNAの生存本能」で「世の中」を考える』→ DNA の 生存本能で、『善悪』を 考える |
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ついに『善悪』までも、 DNA で 説明される 事になり、 ふき は、 ちょっと 怖いような、 でも 一刻も早く 話を聞きたいような、 なんとも不思議な気持ちに なってきました。
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ふき も これは 予想通りだったようで、 小さく うなずいています。
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不思議そうに たずねる かみね に、 ミューラー が うずきました。 | |
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先ほど ミューラー が、 『 人間さんたちの中には、 「善悪」が 絶対的なものだと 勘違いしてしまっている人がいる… 』 と、言っていたので、 ふき も 「もしかしたら自分も そういう状態になって いるのでは?」と 考え、 この反論を しようかどうかは、 迷ったのですが… やはり、異を唱えずには おれませんでした。
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というのも、 ふき は 先日、 自分の住んでいるマンションの 管理人の おばさん と、 たまたま 『善悪 うんぬん』の 話をしたときに…
『 他人が喜ぶことは、 全て、良い行い(善)』 という、興味深い言葉を 彼女から聞いていたのです。 この言葉は、 『正しさ』『善』というものを とても分かりやすく 説明できている 気がして、 ふき も すごく納得し、 感心していました。
そんな経緯が あったため、 今回の ミューラー の 話は、 ふき にとって かなりの ショック だったのです。
それに、 理由は よく 分からないのですが、 ふき の 中には、 なにか 子供の頃から、 『善悪は、とても ハッキリしたものだ』 というイメージがあった のです。 今になって あらためて考えてみると、 「どうして自分は、 今まで そんなふうに 考えてきたのだろう…??」 と、首をかしげるのですが…
そんな「悩める ふき」に、 ネック が 横から こんな話を切り出しました。 | |
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意外な展開にアセりつつも、 ふき は「回答者」として スタンバリました。 | |
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ふき は、 ネック の 言う通り、 とりあえず 『 良い・悪い 』で 考えてみることにしました。 | |
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ふき の 頭の中には、 先日の 管理人さん の、 『 他人が喜ぶことは、 全て、良い行い 』 という言葉が 浮かんでいました。 | |
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正解か どうかは 分かりませんが、 ネック は そう言って うなずいています。
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ふき が、ちょっと 固まりました。 ただ、 すかさず頭を働かせて、 こんなふうに答えたのです。 | |
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ふき は、そんなふうに 答えながらも、 今まで 疑いもしなかった 「管理人の おばさんの説」に、 ちょっと ヒビが入ったような 気がしました。 ネック は その答えに ニヤリと笑い、 ミューラーも ほほえみながら、 「うんうん」と うなずいています。
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「あ、あれ… ??」
ネックの 話が 進むに したがって、 『 善 と 悪 』が、 何度か 引っくりかえっている ことに気づいて、 ふきは ギョッとしました。 そして、 そんな ふき の 混乱に 追い打ちをかけるように、 ミューラー が、 こんなことを 言い出したのです。 | |
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なんという事 でしょう。 「単体(本人)の 視点」で 考えていたときは、 とても 明瞭に見えた 『 善 と 悪 』が… 「3人 それぞれの価値観」を、 他の2人と組み合わせたり、 それを見ている「第三者」を 配置していくに したがって、 見え方が、どんどん 変化していってしまう のです…
横で話を聞いていた かみね も 混乱して、 ふき と、ネック、 ミューラー の 顔を、 かわるがわる 忙しそうに見るばかりでした。
しかし、ふき は 混乱の中にあっても、 かみね よりも早く、 「解答」に 辿りついたようです。 | |
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ミューラー が、 「おお!」と、 うれしそうに声を上げました。
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自分自身の「気づき」と、 ネックたち の 解説で、 ふき も ようやく 混乱を脱しました。 かみね も 遅ればせながら、 理解に達したようです。
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ふき は、 ミューラー の 結論に 耳を傾けつつ、 学生時代や、今の会社での、 「自分の周りの人々」のことを 思い出していました。
そこで出会った人々との 間にあった、 数々の 「難しい 人間関係」… その正体が、 自分の中の DNA を通して 見えている『 善悪 』を、 普遍的な(誰にでも通じる) 絶対のものだと 妄信した者同士 の、 『終わりのない 食い違い』 だったのだと 気づいてみると… ふき は、 自分たちの中の 「DNA」の 存在が、 恐ろしく さえ 感じてくる のでした…
そして、 『 他人が喜ぶことは、 全て、良い行い(善)』 みたいな 聞こえのいい言葉 に、 深く考えもせずに、 「感動」してしまっていた 昨日までの自分が、 恥ずかしくも なってくるのでした…
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永遠に変わらぬ「善悪」 などというものは、 存在しません。 ですから、 皆さんの人生の その 瞬間 瞬間 において、 『その時点で「最も ベター」と 思われる善悪』を、 常に 必死に探し続けていって ほしいのです。 変な言い方に なってしまいますが、 常に「現在の 善悪」を 探し続ける人こそが 真の『善』であり… それをあきらめ、 思考停止に陥る人こそが 真の『悪』 なのではないか…? と、 ときどき 私は、 思うことがあるのです。 |