ミューラーの、思い出の岩場(2/7)





同じ地球に 住みながら、

日々、「目先の生存」だけに
躍起になって生きている
自分たち トンビ とは違い、

さまざまな
知識と文化を産み出し、

社会の中で共有してきた
『人間』という
偉大な生物たち…








その人間の1人である
ふき」 と、

人間並の知識を得た自分が
「再会」することで、

これから起こるであろう、
意義深い日々…




そのことを考えると、

ミューラー の 胸は、
今までの人生(?)でも
味わったことのないほど、

ワクワク感使命感
燃え上がらずには
おれないのでした。









それでは、行きましょう。

ふきさん の お家は、

ここから北に
ずーっと 60キロほど
行ったところだそうです。





ちょっと遠いですが、

ミューラーさん なら、
うまく風向きが合えば、

30分もかからないのでは
ないでしょうか?


私も、社(やしろ)に
帰りがてら、

途中まで ご案内させて
いただきますね。





ミューラー
再びニッコリうなずくと、

これから2ヶ月ほど
別れ別れになってしまう
妻に近づき、

ほおずりをしました。







ただのトンビである
ミューラーの お嫁さんは、

「よく分からない」
といった顔をして、
首をかしげております…




そんな お嫁さんに
背を向けた ミューラー は、

後ろ髪をひかれる気持ちを
ふりきるように、
大きく羽を広げて、

飛び立つ体勢
入ったのですが…




そのとき、
「あ…」 と つぶやいて、





とまっている枝の上で、

その動きを
止めてしまいました。







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