サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第5章『「DNAの生存本能」で「世の中」を考える』
ミューラーの、思い出の岩場


■ ミューラーの、
思い出の岩場(2/6)


『ふき との再会を
心待ちにするトンビ』





同じ地球に 住みながら、

日々、「目先の生存」だけに
躍起になって生きている
自分たち トンビ とは違い、


さまざまな知識と文化
を 産み出し、

それを「社会」の中で
共有している、

『人間』という
偉大な生物たち…









その人間の1人である
ふきと、

「人間並の知識を得た 自分」
再会 することで、

これから起こるであろう、
『意義深い日々』…





そのことを考えると、

ミューラー の 胸は、
今までの人生(?)でも
味わったことのないほど、

ワクワク感使命感
燃え上がらずには
おれないのでした。









それでは、
行きましょう。

ふきさん の お家は、

ここから北に
ずーっと 60キロほど
行ったところだそうです。





ちょっと 遠いですが、

ミューラーさん なら、
うまく風向きが合えば、

30分も かからないのでは
ないでしょうか?





ミューラー
すかさず頭の中で、

自分の飛行速度と、
ふき の 住む町までの
距離を 暗算 し…


かみね の 見積もりに
間違いが無いことを確認して、
ほほえみました。








私は、
先に帰った 師匠 から、
(キツネの おじいさん)

他の準備のために
一度 社(やしろ)に戻るよう
言われていますから、

ふきさんの お宅には
後ほど お伺いする
ことに
なってしまいますが…





途中までは、

ごいっしょさせて
いただきますね。






ミューラー は、

再び ニッコリと
うなずきました。






そして、

これから2ヶ月ほど
別れ別れになってしまう
自分の に近づくと、

いたわるように やさしく、
ほおずり をするのでした。







ただのトンビである
ミューラーの お嫁さんは、

「よく分からない」
といった顔をして、
首をかしげております…




そんな お嫁さんに
背を向けた ミューラー は、

後ろ髪をひかれる気持ちを
ふりきるように、
大きく羽を広げて、

飛び立つ体勢
入ったのですが…




そのとき、
「あ…」 と つぶやいて、





とまっている枝の上で、

その動きを
止めてしまいました。







[章の 目次 に戻る]