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第5章『「DNAの生存本能」で「世の中」を考える』→ ミューラーの、思い出の岩場 |
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…どうか されましたか? ミューラーさん。 | |
首をかしげる かみね に、 トンビ紳士は 頭を かきかき、 こう言いました。 | |
あの、すみません。 かみねさん… ふきくん の お家に行く前に、 ちょっと 寄っていきたい場所 があるのですが… | |
かみね は 少し迷いましたが… ミューラー の 飛行速度であれば、 今日中に ふき の 家に 着くには十分 です。 そして時刻は、 まだまだ お昼すぎ… 無理をする必要は まったく ありません。 | |
分かりました。 お近くであれば、 大丈夫ですよ? | |
ミューラー は 感謝の ほほえみを 見せると、 とまっていた枝から、 流れる風に フワリと体を乗せ… アッというまに 海辺 に 向かって すべり降りていきました。 かみね が 後をついていくと、 ミューラー は 岬の先端の「灯台」 の あたりを ゆるやかに 旋回しています。 かみね が 「正装の代わりに…」と、 海辺で拾って洗濯して ミューラー に 勧めた カッターシャツ も、 こうして見るかぎり、 飛行の妨げには なっていないようなので、 ホッと一安心 です。 かみね が 追いついてきたのを 確認すると、 ミューラー は、 灯台の下にある 「波打ち際」にむかって、 スイッと 舞い降りて いったのでした。 | |
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