サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第5章『「DNAの生存本能」で「世の中」を考える』
ミューラーの、思い出の岩場


■ ミューラーの、
思い出の岩場(3/6)


『海辺に寄り道するトンビ』





…どうか されましたか?

ミューラーさん。




首をかしげる かみね に、

トンビ紳士は
頭を かきかき、

こう言いました。





あの、すみません。
かみねさん…


ふきくん の
お家に行く前に、

ちょっと
寄っていきたい場所

があるのですが…





かみね
少し迷いましたが…


ミューラー
飛行速度であれば、

今日中に ふき の 家に
着くには十分
です。



そして時刻は、
まだまだ お昼すぎ…

無理をする必要は
まったく ありません。





分かりました。

お近くであれば、
大丈夫ですよ?





ミューラー
感謝の ほほえみを
見せると、

とまっていた枝から、
流れる風に
フワリと体を乗せ…


アッというまに
海辺 に 向かって
すべり降りていきました。









かみね
後をついていくと、

ミューラー
岬の先端の「灯台」
の あたりを

ゆるやかに
旋回しています。





かみね
「正装の代わりに…」と、

海辺で拾って洗濯して
ミューラー に 勧めた
カッターシャツ も、

こうして見るかぎり、
飛行の妨げには
なっていない
ようなので、

ホッと一安心 です。







かみね
追いついてきたのを
確認すると、

ミューラー は、
灯台の下にある
「波打ち際」にむかって、

スイッと 舞い降りて
いったのでした。


   






[章の 目次 に戻る]