サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第5章『「DNAの生存本能」で「世の中」を考える』
ミューラーの、思い出の岩場


■ ミューラーの、
思い出の岩場(5/6)


『人間の不可解な行動を
目撃したトンビ』





はい。

ふきくん が
うつむいていたので、

よくは見えなかった
のですが…





彼は なにか、

とても 大きなショックを
受けている
ようでした。





「何をしているんだろう?」
と 不思議に思い、

そのまま上空から
眺めていたところ、


突然、ふきくんは、
リュックから
「コップ」を取り出し…





この、柱のような岩の
てっぺん…

この、大きな「くぼみ」に
たまっていた海水を、


猛然と かき出し始めた
のです。





ところが
しばらくすると、

ふきくん は
水をかき出すのを
ピタリと やめて



とても 悲しそうな
顔つき
で、

しばらく、
「くぼみ」の水面を
見おろしておりました…





そして 今度は
不思議なことに、

海から 岩の「くぼみ」に
セッセと海水を
入れ直して、



やがて、ガックリと
肩を落としたまま、


海辺の細道を
トボトボと帰っていって
しまったのです…



   





かみね は、

ミューラー の 語る昔話の
つかみどころの無さ に、


ちょっと
どう反応していいのか
分からず、

無言で その顔を
見つめました…








話し終わった
ミューラー は、

また、とても遠くを
見るような目になり、


「柱のような岩」を、
翼で しずかに
なでるのでした。






当時の私は、

まだ、人間さんたちのような
知能や知識を持たない、
「ただの鳥」だったので、


『 そのとき ふきくん が
何をしていたのか? 』

など、

理解できませんし、

そもそも
考えもしませんでした…





でも、

キツネの おじいさん
選ばれて、

人間さんたちのような
「高度な思考」

与えられたとき…





『 あのときの ふきくんが、
何に あれほどのショックを
受けていたのか 』…?


そして、

『あんなに必死に、
何をしようとしていたのか』…?


を 理解して、

とても 大きな驚き
得たのです。











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