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第8章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」1』→ 生物滅亡の原因は『氷河期(氷河時代)』? |
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恐ろしい時代 なのですね… 『氷河時代』… | |
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そういえば、 「次の氷河期が いつ来るか」は、 分かって いるのでしょうか? | |
ふき も そこに 興味が ありました。 そんな 地獄 が また来るのだとしたら、 人類は それに 備えなければなりません。 ところが ミューラー は、 またも 困ったような顔で 首を横に振るのでした。 | |
残念ながら それについては、 人間さんたちにも、 まだ 予測ができていない ようです。 | |
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ただ、「氷河時代」 そのものは、 近年では、 『 数億年に 1回ぐらい 』 の ペースで 訪れているようですね… | |
ミューラー の 言葉に、 ふき の 表情が パァッと明るくなりました。 | |
な、なーんだ。 じゃあ、 「次の 氷河時代」 が 来るのも、 何億年か先の話 なんだね。 | |
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それだけの 期間があるなら、 なんとか人類も 準備 が できるんじゃ ないかなぁ。 | |
ところが ミューラー は、 そんな ふき の 言葉に キョトン顔になって しまいました。 | |
「次の 氷河時代」…? いえいえ、ふきくん。 『氷河時代』は、 もう 来ています よ? | |
…え?? | |
氷河時代の定義 は、 こうなっています。 『 地球の気候が寒冷化し、 地表と大気の温度が 長期にわたって 低下する期間のこと 』 『 極地の大陸氷床や 高山域の氷河群が存在し、 または拡大する時代 』 | |
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…どうですか、 ふきくん? | |
ふき は、 「2つ目の定義」を聞いて 仰天しました。 『 極地の 大陸氷床や、 高山域の 氷河群 』… それって、南極大陸や、 グリーンランドにある 氷たち のことでは ありませんか!? というか、 本当に今さらなのですが、 あのような 陸地の巨大な氷が、 長い年月をかけて 少しずつ少しずつ 流れ動いていく現象 を、 まさに『氷河』と 呼んでいたはずです! | |
そ、そうだったのか… 僕らの 暮らしている この 現代そのものが… 『 氷河時代 』 だったんだ… | |
ミューラー が、 うなずきました。 | |
その通りです。 先ほど お話しした、 「氷河時代の中でも、 気温が それほど劇的には 下がらない時期」… つまり、 『 間氷期(かんぴょうき)』 の 1つに あたるのが… | |
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今まさに 我々が暮らしている、 この時代 なのです。 | |
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茫然とする ふきたちに、 ミューラー は 続けました。 | |
現在 われわれは、 250万年ほど前 から 始まっている 『 第四紀 氷河時代 』の まっただ中で、 生活をしています。 | |
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最も最近では 7万年前に始まり 1万年前に終わった 「氷期」や、 現代のような 「間氷期」を、 長い年月をかけて、 何度も何度も 交互に くり返す… | |
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これこそが、 『 氷河時代 』の 実態 だったのです。 | |
まさか、 ふきたちの暮らしている この時代 そのものが、 『氷河時代』だったとは… 「地球温暖化」が 叫ばれているので、 てっきり 自分たちは 「あたたかい気温の時代」で 暮らしているのだとばかり 思っていたのですが… そこまで考えて、 ふき は ハッと 思い当たりました。 | |
ちょっと 待ってよ? 「今が 氷河時代」 ってことは… 逆に もしかして、 その前の時代は、 もっと… | |
ミューラー が、 深く うなずきました。 | |
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その通りです。 はるか昔には、 現代より もっともっと 『暑い』気候が、 普通に続いていた のです。 | |
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たとえば、 「恐竜さんたちが 全盛だった時代」は、 平均気温は 今と比べて、 『 7度 』ほども 高かった のだとか… | |
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つまり、 先ほどとは逆で、 「北海道」のほうが、 現在の この街と 同じぐらい高温 で… | |
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一方で この街は、 夏場に 熱中症などで 生物がバタバタと 死んでしまうような、 大変に 生きづらい土地 だったわけですね。 | |
ふき は 今まで、 極寒の「氷河時代」 こそが、 生物が生きていけない つらい時代 だとばかり 思い込んでいたのですが… 今の我々にとっては むしろ、 『 氷河時代が終わって しまった時のほうが、 暑くて生きていけない時代 』 とすら 言えそうです。 もちろん、 暑くなるにしたがって 極地に近いほうに移動 していけば、 気温だけは何とか なるでしょう。 でも、 「動植物の生態の適応」が 地球の気温変化に 追いつかなければ、 大量の生物が死に、 それを食べて 暮らしてきた人間にも 大量の餓死者が出る のは、 『氷期』の ケースと同じ です。 そうした時代 が、 どんなに運が良くても おそらくは 「数億年以内」に、 確実に 訪れてしまう のです。 |
もっとも その前に、 次の『 氷期 』が来る 可能性のほうが高い ので… 実際に われわれに 残されている時間 は、 「数億年」どころか、 長くても 『 10万年 程度 』 ではないでしょうか…? 「氷期」によって 必ずしも生物が絶滅する とは限りませんが、 それに近い 甚大な被害 を こうむる時代が、 10万年ほどのうちに、 ほぼ確実に 訪れてしまう のです… | |
多分、僕らの 生きている間には、 そんな事態には ならないと思うけど… 僕らの子孫たちは、 どうなっちゃうんだろう… | |
ふきが 悲しそうに つぶやくと、 かみね が 励ますように、 こう言いました。 | |
でも… 人間さんたちには、 すばらしい知識… たとえば『科学』が ありますよね? | |
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それで、 何とかできない ものでしょうか? | |
かみね の 言葉に、 ミューラー が 大きく うなずきました。 | |
そうですね。 現在では 無理でも、 将来的には、 「気温をコントロール」 したり、 「地球外に 巨大な 居住施設を建造」 することで… | |
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『生物の絶滅を回避できる すばらしい時代』を 実現できる日 が 来るかもしれません。 | |
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ただ、 私たち「動物」が、 わずか 10万年で そこまで進化できる 可能性は、 ほぼ ありません から… | |
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どうしても、 『人間さん』のみに 努力や責任を押しつけ、 一方的に頼ることに なってしまう とは 思いますが… | |
そう言いながら、 ミューラー や かみね は 申し訳なさそう な… しかし、なにかを 期待する目 を、 『人間である ふき』に 向けるのでした。 重大な任務 を背負った ような気持ちになって、 ふき が オロオロと ネック のほうに 顔を向けると… ネックは ただ、 いつもの ニヤリ顔 で、 ふき を 見上げたのでした。 |
私たちが生きている この現代が、 実は『氷河時代』の1つ だと知って、 驚かれた方も 多いのではないでしょうか? 言うまでもない事ですが、 現在のような 「比較的すごしやすい 間氷期」 は、長くは続きません。 私たちの地球が 次の『 氷期 』 に 入り、 今の人類の文明が 維持できないほどの 大ダメージを受けてしまう、 その日が来る前に… どうか、 「人間」の皆さん。 『 地球の生物たちが 生き残れるだけの 高度な文明 』に、 辿り着いてください。 我々に「残されている時間」 は、きっと もう、 それほど 多くはない のですから… |