サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』→
第8章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」1』→ 生物滅亡の原因は『他天体からの影響』? |
| |
…ただ ですね。 ある恒星が、 別の恒星系(太陽系など)と 交わってしまう確率 は、 非常に 非常に 小さなもの なのです。 | |
| |
小さいって、 どんくらいよ? ミューラー。 | |
ネック の 質問を受け、 ミューラー は しばらく 目をつぶって 頭の中で計算した後… こんな話を 始めました。 | |
たとえば、 我々の太陽系から 最も近くて、 目でも見ることの できる恒星 は、 『ケンタウルス座の アルファ星』です。 | |
| |
『アルファ・ケンタウリ』 とも呼ばれる この星までの距離は、 宇宙最速といわれる 「光の速さ」を もってしても、 4.3年もの時間が かかる ほど 離れています。 | |
| |
「4.3光年」って わけだね。 1光年が だいたい 「9兆4600億キロメートル」 だから… | |
| |
4.3光年だと、 40.7兆キロメートル ぐらいかな? | |
星好きの ふき が、 電卓をポチポチしながら、 その数字の膨大さに あらためてビックリ しています。 ふき の 言葉に、 ミューラー は ほほえんで うなずきました。 | |
その通りです。 これに、太陽の直径が 「140万キロメートル」ほど であることを考えると… | |
| |
太陽 と アルファ・ケンタウリ の 間には、 『 太陽を 2910万個 』 並べられる ほどの 凄まじい「へだたり」 があるわけです。 | |
| |
そこで、 たとえば 太陽を 「プロ野球の ボール」 (7.4 cm)にたとえて 考えてみる と… | |
| |
アルファ・ケンタウリ までの距離は、 なんと 2150キロメートル にも なってしまうのです。 | |
| |
これは つまり、 太陽 と アルファ・ケンタウリ が 衝突する可能性 が… | |
| |
『 日本全体がスッポリ入るほどの 凄まじい広さのグラウンドで、 2人が 両端から、 野球のボールを、 投げては拾い 投げては拾い しながら 歩き続けて、 いつか 2つのボールが ぶつかるのと 同じぐらい』の 極小の確率に すぎない ことを、物語っているわけです。 | |
…と、ここまで話した ミューラーは、 自分の たとえ話に 一部 間違いがある ことに気づき、 こう 付け加えました。 | |
あ、いえいえ。 宇宙は 実際には、 平面 ではなく 「空間」ですから… | |
| |
日本の 端から端までぐらいの 「広さ」がある上に、 それと同じぐらいの 『高さ』… つまり、 上下への 広がり もあるわけですね。 | |
| |
ですから、 超超超 巨大な 『立方体 の 体育館』 の中で、 空中ボール投げを し合うようなもの… という感じでしょうか? | |
日本がスッポリ入る グラウンド というだけでも 絶句モノなのに、 さらに上にまで 同様の広がりがあれば、 2つのボールの ぶつかる可能性は、 『かぎりなく かぎりなく 0』 と考えて間違いない でしょう。 ふき は、 宇宙の 圧倒的な広さ に 愕然としながらも、 一安心 したのでした。 |
| |
…あ。 でも、あれは大丈夫 なんでしょうか? 『 ブラックホール 』… | |
かみね が、 以前にネットで見かけた そんな天体を思い出して、 心配顔で 質問を追加しました。 しかし ミューラー は、 この質問にも ニッコリと ほほえみました。 | |
「ブラックホール」は、 太陽のような 普通の恒星よりも 「さらに強大な引力」を 持っていて、 『接近しすぎれば』、 光の速度でも脱出できない 恐怖の天体 です。 | |
| |
ただ、恒星が 「ブラックホール」になった からといって、 引力の影響範囲が 以前より広がるわけでは ありません。 | |
| |
恒星だったころと同様に、 「ブラックホールが 持っている質量の大小」が、 そのまま、 「引力の影響範囲の大小」 となる だけなのです。 | |
| |
ですから、 ブラックホールも、 危険度自体は、 普通の恒星と なんら変わらない … と 考えていただいて 差しつかえないのです。 | |
この結論を聞いて、 かみね は ようやく 心から安心したように ほほえんだのでした。 |