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第8章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」1』→ 生物滅亡の原因は『他天体からの影響』? |
ただ ふき には、 もう1つ心配なこと が ありました。 星同士が ぶつかる可能性は、 取りあえず 「ほぼ 0」と言えそうです。 でも 恒星は、 年老いていくと、 最後に その姿を 大きく変えてしまいます。 私たちの太陽ぐらいの 質量であれば、 『 赤色巨星 』になって 近隣の惑星を飲みこむほど 巨大化しますし… もっと大きな質量を 持った恒星は、 『 超新星爆発 』 などを起こして、 広範囲に 多大な被害を 及ぼしたりします。 さっき 話に出た 『 ブラックホール 』も、 そうした 「恒星の死」 によって誕生する 天体の1つなのです。 そういった 凄まじい「星の死にざま」 の 影響が、 地球に降りかかってしまう ことも、あるのでは ないでしょうか…? ふき が おそるおそる、 その懸念を ミューラー に たずねると… トンビ紳士の答えは こうでした。 | |
たしかに、 『 超新星爆発 』を 起こすような 大型の恒星の死は、 近くの恒星系の生物までも 巻きぞえにしてしまう… と 考えられています。 | |
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…というのも、 超新星爆発のさいには 『ガンマ線 バースト』 と 呼ばれる現象が発生し、 生物に有害な放射線である 「ガンマ線」が、 とてつもない量、 まき散らされる と 考えられているからです。 | |
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大ざっぱにですが、 爆発点から 「半径 5光年以内」 であれば、 そこに住む生物は 間違いなく『全滅』… | |
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「半径 50光年以内」 であっても、 壊滅的な被害を 受けてしまう と 予測されています… | |
「50万キロメートル」 どころの話ではなく、 『 50光年 』彼方にまで、 爆発の影響力が及ぶとは… 『 超新星爆発 』 という自然現象の、 絶望的なまでの破壊力 が、 マザマザと実感 させられる数字です… | |
ですから たとえば、 先ほど お話しした 私たちの太陽系の お隣の星、 「アルファ・ケンタウリ」が、 もし「超新星爆発」を 起こしたとしたら… | |
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「4.3光年」しか離れていない 太陽系の生物は、 100% 絶滅してしまう ことでしょう… | |
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そ、そんなっ! | |
ミューラー が、 暗い顔で うつむいて しまったのを見て、 かみね は、 地球最後の日の 凄惨な光景 を 想像し、 悲痛な声をあげました。 |
ところが、 そんな かみね に、 ふき が 困ったように ほほえみながら、 やさしく こう言ったのです。 | |
大丈夫だよ? かみねちゃん。 地球が 「アルファ・ケンタウリ」の 超新星爆発で滅ぶ なんてことは、 絶対に無い んだから。 | |
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そうでしょ? ミューラーさん。 | |
その言葉に、 かみね は キョトン とした顔になり、 一方 ミューラー は、 ちょっと イタズラっ子のような 笑みを浮かべながら、 顔を上げたのでした。 | |
…さすがですね、 ふきくん。 その通りです。 地球は、 「アルファ・ケンタウリ」の 超新星爆発では、 滅びません。 なぜなら… | |
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そもそも、 「アルファ・ケンタウリ」の 質量が 足りない んだよ。 「超新星爆発」が 起こるには、 最低でも、 「僕らの太陽の4倍ぐらいの 質量が必要」らしいんだ。 | |
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だから、太陽より ちょっと大きい程度の 「アルファ・ケンタウリ」なら、 最期は 「超新星爆発」ではなく、 太陽と同じように 『 赤色巨星 』化 した後… | |
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内部のガスを 付近に噴出して、 「白色矮星」が 残る だけで 済むんじゃ ないかな? | |
他のことは いざ知らず、 「ゲーム」や「天文」 についての ふき の 知識は、 なかなかのものです。 かみねや ネックの 視線に こもった 尊敬 を 感じて、 ふき は 照れくさそうに 頭をかいたのでした。 | |
ちなみにですが… 「超新星爆発… ガンマ線バーストを 発生させるほどの質量」 を 持っていて、 かつ「地球に近い恒星」 としては、 | |
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さそり座 の 『 アンタレス 』 オリオン座 の 『 ベテルギウス 』 などが あります。 | |
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ただ、 これらは いずれも 地球から 600光年以上 離れている ので、 「ガンマ線 バースト」の 影響も、軽微で済む… と 考えられているそうです。 | |
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もちろん、 それぞれの「恒星系」は それぞれの速度で、 この銀河系の中を 移動 していますから… | |
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長い長い年月の後には、 そうした 危険な巨大恒星と、 われわれの「太陽系」が、 50光年以内に 近づいてしまう ケースも 無いとは言えません… | |
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しかし それは、 おそらく 何億年も 未来の話 だとは 思われますが… | |
この回答を聞いて、 ふき も、 ようやく とりあえず、 ホッとしたのでした。 |