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第8章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」1』→ 生物滅亡の原因は『他天体からの影響』? |
ところが、 スマホ(みたいなもの)を いじっていた かみね が、 またも 不安げな顔 で 首をかしげました。 | |
あの… これは どういう 事なのでしょう? 『星同士の 衝突』 について ネットを調べていたら… | |
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『 私たちの銀河系 と アンドロメダ星雲 が、 やがて衝突する 』 …という お話が 出てきたのですが。 | |
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ええ!? | |
星好きの ふき でしたが、 そんな話は初耳でした。 ふき が 熱心に 星の本を読んでいた 子供のころは、 たしか そんな話は 無かったはずですが… | |
はい。 実は これは、 近年の観測結果 から、 判明したことなのですが… | |
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われわれの住む 「銀河系」と、 お隣の「アンドロメダ星雲」 (アンドロメダ銀河)は、 約40億年後に 『衝突』してしまう らしいのです。 | |
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「アンドロメダ」の星々は 1兆個 … われわれの「銀河系」の恒星が 3000億個 ほどですから、 銀河系の『約3倍』の星々で 構成されている小宇宙 と 考えられています。 | |
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もっとも、 「アンドロメダ」の直径は 銀河系の3倍ほど あるそうですから、 密度としては むしろ 「銀河系よりも薄い」 かもしれません。 | |
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とはいえ 両者が衝突すれば、 同じ空間内の 星の数が、 「今までの倍ぐらい」には なってしまいます から… | |
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『星同士の衝突の 危険性も、 これまでの 倍ぐらいになる』 のではないでしょうか? | |
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そ、それは、 どのくらい危険な 状態なのでしょう…? | |
『 銀河同士 の 衝突 』 という、 もはや 想像の域を超えた 未来の大事件に、 かみね と ふき の 顔色は 今まで以上に、 深く深く、青ーく なってしまいました。 | |
そうですね… 分かりやすい例で たとえてみますと… | |
しばらく目をつむって 考えていた ミューラー が、 スッと 顔をあげました。 | |
先ほど お話しした 「日本がスッポリ入る 超超巨大な体育館」の 中に、 もう 1人、 ボールを投げる人が 追加される程度… でしょうか? | |
「…は?」 |
絶句した ふきたちでしたが、 落ち着いて よくよく考えてみれば、 まさに その通りです。 たとえ、星々の密度が 今までの倍 になっても、 もともとの密度が 極薄 であれば、 衝突の可能性は やっぱり 限りなく 「0に近いまま」なのです。 肩透かしをくらって ポカンとしたり、 ちょっと安心した ふきたちでしたが… ミューラー が、 このように 続けました。 | |
ただ、 銀河同士の 衝突 による影響は、 やはり大きいです。 | |
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先ほど、 『 太陽系の中に、 「別の恒星」が 入ってきたら 』 というケースを お話しましたが、 あれと 同様の危険… つまり、 | |
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2つの銀河の 巨大な引力で 内部の星々が 振り回された結果、 『それぞれの銀河から、 一部の恒星が はじき出されてしまう 』 恐れがあるのです。 | |
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衝突した 銀河系と アンドロメダは、 その後 お互いの引力で 1つに まとまりなおし、 『 ミルコメダ 』と 仮名される 「新しい小宇宙」となる そうですが… | |
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私たちの太陽系は、 もしかしたら、 その 新しい小宇宙の 一員には なれず… | |
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星が ほとんどまったく 存在しない空間を、 どこまでも ただよって いくだけの存在に、 なってしまう かも しれないのです… | |
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仲間である 銀河系の星々から 引きはがされて、 ただただ どこまでも黒い、 何も無い空間の中を、 静かに遠ざかっていく われわれの太陽系… ふき は、その、 絶望的に 孤独な光景 を 想像して、 自分の背骨が 氷の柱に なったような 冷たい恐怖 を 感じたのでした… | |
「星が まったくない空間」… これは 現在の、 銀河系と アンドロメダの 間に、 えんえんと広がっている ような空間ですね。 | |
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「肉眼で見える」ような星は 近くに まったく無い はずですから、 そんな事態になった「地球」から 夜空を眺めたら… | |
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「月」と「太陽系の惑星」、 あとは 離れていく「ミルコメダ」が 薄い雲のように 広がるばかりで、 それ以外は 完全に「真っ黒」なだけの、 たいへんに寂しく冷たい夜空 に なっているのでは ないでしょうか? | |
それは、 「孤独」という言葉すら 白々しく感じるほどの、 圧倒的で 絶望的な、 虚無の光景 です… そんな 「未来の無い 夜空」など、 自分自身は もちろん 見たくないし、 子孫たちにも 決して 見てほしくない… と 思わざるを得ない ふき でした。 |
星と星との間は、 本当に 圧倒的に、 想像を絶するほど 離れています。 それは、 「星同士の衝突の 危険性」 という点から見ると、 ホッと胸をなでおろす ような話に 聞こえるかもしれません。 ところが この、 「星同士が 離れすぎている」 という事柄が、 実は われわれ生物の 未来にとって、 非常に深刻な問題を はらんでいる のです。 それについては… 近々 お話ししようと思います。 |