■ 他天体の影響による滅亡を、
いかに 回避するか?


『太陽系に別れを告げ、
星から星へと旅を続ける、
未来の地球生物』


執筆日 2018年 12月23日   最終更新日 2020年 05月02日





でも…

これでも まだ、

「絶対に安心!」
というわけではない

んですよね…?




かみね の 言葉に、

ふきたちは
顔を見合わせました。

 





その通りです、
かみねさん。

地球外へと旅立つ
ことで、

太陽のエネルギーの
上昇による
『太陽系内での滅亡』は
回避
できるようになる
と 思われますが…





その後、

10億年、20億年
時間が経つにつれ、

太陽を含む 星々の位置 が、
今と 大きく
変わってきます。





そうなってくると、

今までは 大丈夫だった
別の恒星が、

太陽系の近くを通過して
「太陽系をかき乱し」たり…





近場で『超新星爆発』を
起こしてしまう…


といった事態も
出てくるかもしれません。






1人の人生からすると、
『不変』にしか見えない
この宇宙も、

遠い未来には
確実に変化を表す…




ふきたち は、

星々の 凄さと 怖さ を、
同時に感じるのでした。

  






特に
40億年後 以降には、

われわれの「銀河系」と
「アンドロメダ星雲」が、
交差 をはじめる
ので…





それぞれの 星雲内の
星の動きが
かき乱されてしまいますし、

われわれの太陽系も
「星雲外」の どこかに
放り出されてしまう

かもしれないのです…





僕らの太陽系が、
銀河系から
はじき出される!!??






星々 というものは、
宇宙空間に浮いていて、

お互いが
「引力」によって
つながっています。



そのため、
『より大きな 引力』
作用があると、

つながりが バラバラに
なってしまう
ケースも
あるわけですが…



『自分たちの住む 恒星系が、
所属していた 小宇宙から
離脱してしまう』

ことすらあるなんて…

 






また、何とかそれを
しのいだとしても…

50〜60億年後 には、

太陽自体が 老齢に入り、
『赤色巨星化』
してしまいます。





したがって
それ以降は、

太陽から地球に
ふりそそぐエネルギーが、


非常に不安定に
なってしまう

予測されています。





ミューラー
話の流れから、

ある程度は予想していた
こととはいえ、

できれば
口にしたくなかった
この言葉
を…



ふき は、重く
しぼり出しました。




つまり…

僕ら「生物」は、

少なくとも
『40億年以内』には…





そうです、

地球に 続いて、

『この太陽系からも、
旅立たなければ
ならないことになる』

のです。



  









【広告】

 




『未来の地球生物は、
太陽系外に お引越し』





ふき
話を聞いていて、

気が遠くなってきました…





故郷「地球」を 離れ…

太陽系内を 渡り歩き…


その太陽にも
別れを告げて、


他の恒星系に
旅立っていく
のが、

未来の地球生物の
宿命とは…





まあ、人間だって
「お引っ越し」
するものねぇ。


ふき だって
地方から出てきて、

この街に住むように
なったんでしょ?




言われて、ふき
うなずきました。





この街の
ゲームメーカーに就職

したのがキッカケで、

ふき は 地方から
引っ越してきたのです。





あたしも、
あの公園に捨てられた
ばっかりのときは、

たしかに ちょっとだけ
怖かった
けど…





この 美貌 が あったから
人間どもに好かれて、

けっこう 気楽に
暮らしてこれた
もんね。





「引っ越し」
たしかに不安だけど…

ま、心配も しすぎるな
ってことよ。





ネック
そんなふうに言われると、

『太陽系から 旅立つ』
という 一大事も、

やってみれば
案外 何とかなる

ような 気がしてくるから、
不思議です。







あれ?

でも ネック
どうして、

ふき が 地方出身者」だと
知っているのでしょう?



ふきは たしか、
彼女に話したことは
無かったはずですが…






ふき が ちょっと
首をかしげていると、

ミューラー が、
太陽系を離れる件
について、

具体的な説明を
はじめました。













【広告】

 




『他の恒星系への移住の壁となる、
あまりにも遠い
「星と星との距離」』





他の恒星系に移住
するとき、

最も問題になるのは、
その『距離』です。





先日も
お話ししましたが、

太陽の すぐ お隣にある
「アルファ・ケンタウリ」
ですら、

光の速さで
4.3年も かかってしまう

ほど 離れています。





これは つまり、

「スペースシャトル」のような、
現在の 地球の宇宙船

使用した場合で、

(最大速度「秒速 7.9km」、
時速にして 「毎時 28,440km」)


16万 3000年 もの
年月を要する

とんでもない旅路になる
ということです。




ぐえっ!!




ふき
意識が遠くなりました。



先日は、
2つの星の間に広がる
長い距離
の おかげで、

「恒星同士の 衝突の危険性が
ほとんど0に 等しくなる」

ことに
安堵したものですが…




逆に『移住』という
観点で見たとき、


今度は
その 絶大な距離 が、

あまりにも あまりにも
大きな『壁』として
立ちはだかってしまう

のです…





片道の移動だけで、
16万年以上
かかってしまうなんて…

私たち「神さま」の
寿命でも、
ぜんぜん 足りませんね…





数字の あまりの巨大さに、
真っ青になってしまった
かみね に、

ミューラー
説明を続けました。





もちろん、

将来 人間さんたちの科学力が
どんどん向上していけば、

いつかは
「亜光速 宇宙船」
の 実用化も
ありうるでしょう。





そうすれば、

他の恒星系への 移住も、
より 現実的になる

と 思われます。





「あこうそく うちゅうせん」

何よそれ、ミューラー

あんたの言葉は
難しすぎんのよ。





し、失礼しました。

「亜光速 宇宙船」
とは つまり、

『光速』(秒速 約30万km)
と 同じぐらい速く
飛行できる宇宙船

の 事なのです。




ネック に 指摘され、

ミューラー は あわてて
『亜光速 宇宙船』
についての解説を
始めるのでした。











【広告】

 




『亜光速宇宙船と
「ウラシマ効果」による、
恒星間移住の可能性』





光速に近い速度(亜光速)で
移動する物体(宇宙船など)
は、

単に 移動スピードが
速いだけでなく、

『ウラシマ効果』
と 呼ばれる、
不思議な「時間の遅れ」
期待できます。





つまり、

亜光速の 宇宙船の
乗組員にとっては、


「時間の 進み方が
ゆっくりになる」

のです。






仮に、「光速の 99%」
出せる宇宙船に乗れば、

船内の 時間の進み方は、
なんと『7分の1』まで
遅くなります。





この話は ふき も、

SF関係の
映画 や マンガ

見たことがあります。



宇宙旅行から
帰ってきたら、


自分の子供が
自分より歳をとって
いたりする、


怖くて 不思議な現象 です。







これにより、

実際には
4.3年ほど かかっている

「アルファ・ケンタウリ」
までの旅は、

『乗組員にとっては』
「7ヶ月半」ほどの
時間としてしか
作用しません
から…

そこまで無茶な旅では
なくなるはずです。





そうした
「亜光速 宇宙船」を、

たとえば
船内時間で
「10年間」


乗組員が がんばって
飛ばし続けることが
できれば…





船外で 実際に
経過している時間は、
7倍の『70時間』


つまり 宇宙船も、
70光年ちかく
移動している
ことになります。





これなら、

「移住できる 恒星系」
の 選択肢も、
かなり 広がって来る

のではないでしょうか?




ミューラー の 話が
一区切りすると、

ふきたちは
それぞれの感想を
述べはじめました。





「ウラシマ効果」か…

本当に不思議だよね、
『相対性理論』

というか、
僕らの住む この宇宙…





宇宙船の中に、
「10年間」缶詰め か…

あたしは、ちょっと
ゴメンしたいけどね。





ほとんど 何もない
宇宙空間を、

10年間(実際には 70年間)も
飛び続けるなんて…


怖いですし…
寂しいですよね。






ミューラー
そんな言葉たちに、
静かに うなずきつつ…


少し 気がかりなことを
語りはじめたのでした。










[章の 目次 に戻る]