■ ふきの 悲しい決断(1/6)





そんな事が…

ふきさんに
あったんですか…





あの日の出来事を
ポツポツと、

しかし、
じょじょに鮮明に
思い出しながら、

ここまで語ってきた
ふき は…


ここで一息をついて、

うなずきました。




うん…

僕にとっては、あの
『 海辺の岩の くぼみ 』は、

本当にショックな光景
だったんだ…





ということは、

ふきさんの お宅に
うかがう前に、

私と ミューラーさんが
立ち寄った、
あの「岩の柱」が…




かみね の 言葉に、

今度は ミューラー
しずかに うなずきました。




その通りです。

ふきくんの
語ってくださった

『 海辺の岩 』です。





私は、
キツネのおじいさんから
高い知性をいただいて、

さまざまな事々を学び、
気づけるようになる中で、


あの日の ふきくんが、

「くぼみ」の中の
小魚たちを助け出そうと
必死になっていた
ことを
ハッキリと理解し…


とても大きな 驚き
に 打たれました。





…というのも、

今までの私にとって、
他の生物というものは、

ほぼ全てが
「外敵」か「食物」
でしかなかった
からです。





まー、それが

あたしら「動物」の
普通の感覚だもんね。




ネック の 言葉に、

ミューラー
あらためて
うなずきました。




なのに 人間さんは…

ふきくんは、

私たちと同じ
「動物」でありながら、

『 損得を 度外視して、
他生物の命を助ける 』


という概念を
持ち合わせている…





この事実は、
私にとって、

まさに 衝撃 でした。






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