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そもそも… | |
あきれ果てた という顔つきで、 ミューラー は 続けます。 | |
誰もが そんなふうに パクり(盗用)合って、 最初にアイディアを 出した人の利益を 尊重しなくなったら… バカバカしくて、 誰も 新アイディアなど 出そうとしなく なってしまう ではありませんか? | |
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それは いわば、 『 誰も畑にタネをまかず、 先人が まいたタネから 生えてきた野菜を 奪い合っている 』 ようなものです。 その野菜が 尽きたとき、 ただの荒れ地に なってしまった畑で、 今後 どうやって 収穫を得るというのか… | |
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「会社1つ」にとっては 問題ないようでも、 『 ゲーム業界 』全体 にとってはマズい… て わけだね? | |
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以前に ミューラーさんが おっしゃられていた、 『 範囲を広げると、 善悪の見え方が変わる 』 という お話 そのものですよね… | |
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会社にとっては「正義」 (生存確率が上がる)でも、 ゲーム業界全体 にとっては「悪」 (生存確率が下がる) になってしまう… | |
ふき は、 会社の同僚との 当時の「話し合い」を 思い出しながら、 寂しそうに続けました。 | |
あれは まさに、 『 岩の柱の「くぼみ」 にいた小魚たち 』を すくい上げようとしたとき と 同じ感覚だったよ… | |
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このままだと 高確率で、 会社にとって悪い流れになる ことが予想されるのに、 それを指摘する「僕」が、 社内の人間には 『 突如 理由もなく、 平穏な会社を 荒らしはじめた存在 』 にしか 見えていなかった んだと思う… | |
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彼らと 話しているときに、 何度も あの 『 岩の「くぼみ」の中で、 逃げまどう小魚たち 』が 僕の脳裏にチラついて、 やりきれない気持ち だったよ… | |
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