■「生物滅亡」を
回避できるかもしれない
『一縷(いちる)の望み』?
(4/5)

『人間だけが「生きる意味」…
「生きていた意味」を 作り出せる』





前に あたし、
ふきに 言ったよね?

『生物には、
生きる意味なんて無い』

って…




そのことは、
ショック だっただけに、

ふき も よく憶えています。







あれって、
実は ちょっと
間違ってんのよ…


「生きる意味」ってのは、

『自分で 作るもの』
なのよね。





『自分で 作るもの』…?





たとえば、

あたしたち
「猫」なんかも、

毎日を 一生懸命
生きてる
よね。





もしかしたら、

人間ども以上に
一生懸命
かもしれない…





でもね…

あたしたちの
こんな生き方は、

『生きる意味』とは、
ちょっと違う
のよ。





その通りです。

私たちは、
人間さんたちとは違う…

なぜならば…





あたしたちは、
「生存本能」

『自分の 欲求』に、
「振り回されて」
生きてるだけだからよ。





そんなのは
「ただ 生きてる」だけで、

『意味』も へったくれも
無い
のよね。





『自分の欲求に
振り回されてるだけ』

って 言うのなら、

「一部の人間」だって…




…と 言いかけた
ふき でしたが、


ここは このまま、
ネック の 話に
耳を傾けることにしました。






そこに「意味」
生み出せる
可能性 を持っているのが、

あんたたち
『人間』なのよ。





人間は、
あたしらと違って、
『優秀な 脳』
持ってるから、

「知識を 分け合ったり」
「知識を 伝えていく」

ことができる…





1人の人生が、
「ただ生きて、ただ死ぬ」
だけじゃ 終わらないのよね。


ある人が残したものが、
『その人が死んだ後にも、
世の中を前進させる力』

になる場合がある…





その人が
『生きていたことの 価値』


その人が
『生きていた意味』


ってやつに
なる場合があるのよ。





ふき は 心の中で、

静かに世の中を
見渡してみました。


 




そこに あふれている、

「世の中を支えつづける
技術たち」
も、

「便利で有用な 道具たち」も、


元はといえば、

『私たちが 会ったこともない、
場合によっては 名も残っていない、
どこかの誰か』が
生み出してくれたもの
です。




もし、その人たちが
存在しなければ、


今の世の中も、
今のような便利な姿には
なっていなかったはず…





彼らの人生は、

「ただ生きて、ただ死んだ」
といったものでは、
決してない のです。





「生きる意味」は
無いかもしれないけど…


『生きていた意味』を
自分たちで作ることは、

できる んだ。





その通りです。


唯一 …

『人間さんたち』だけ が。





ミューラー は、
ふき の 至った結論に、

とても うれしそうに
ほほえんだのでした。


 








だけどね…




ここで ネック は、

ちょっと 寂しそうな
顔をしました。






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