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第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ 地球生物が 生き残るために、 『しあわせ』を どう活用するか? |
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続いては 『仕事』を、 「文明の 発展」に からめて 考えてみましょう。 | |
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…と言いますか、 行為そのものが 『文明の 発展』に 直結している という意味では、 『仕事』は ほとんど トップクラス と 言えるのでは ないでしょうか? | |
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そ、そんなに 重要ですか、 仕事 って。 | |
ふき の 質問に、 ミューラー は 深く うなずきました。 | |
考えてもみてくだい。 ふきくんのような 「大人」の 人間さん が、 日々の暮らしの中で、 『社会そのものに 影響を与えられる行為』に、 どれだけの時間を 費やせているか を… | |
ふき は、 ちょっと腕を組んで 考えてみました。 自分にとって 「社会に影響を与えている行為」 と 言えば… かろうじて、 自宅にいるときに 気ままに行う、 『ネットを通しての 意見発信』 ぐらいのものでしょうか? 時間にして、 「1日・1時間」 あるかどうかです。 もっとも、 ふき のような 一般人レベルでは、 SNS を通して ごく身近の知人に 自分の考えを聞いてもらう か、 匿名掲示板などで 短文で意見らしきものを 言い捨てる ぐらいが 関の山で… とてもとても 『世の中に影響を与えている』 レベルとは 言えません が。 となれば、 筆頭に来るのは 当然… | |
『仕事』… ですね? | |
再び ミューラー が 深く うなずきました。 | |
その通りです。 これまで何度も お話ししてきましたが、 「仕事」は、 『自分が 最も直接的に 社会にかかわり、 影響を与えていける』 という意味で、 トップクラスの 行為 なのです。 | |
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これは、 『仕事に費やしている、 日々の時間』 を 見ても 明らかです。 平均的な会社は、 「1日 8時間」労働 であり、 「通勤」に使われる時間は、 大ざっぱに 「往復 2時間」… | |
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これを 「週5日」(週休2日) おこなえば、 費やす時間は 『50時間』にも及びます。 | |
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つまり 人間さんの大人たちは、 『1週間に 50時間も、 「仕事」関連に 人生の時間を使用している』 ことになるわけです。 | |
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人間さんって、 本当に たくさんの時間を 「お仕事」に 費やして いるのですね… | |
驚く かみね に、 ミューラー が 続けました。 |
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これは、 『時間の割合』で 見ると、 さらにハッキリと 分かります。 | |
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まず、 1日は「24時間」 ですが… 誰でも 1日平均7時間ほどは 「睡眠」をとります し、 食事・お風呂・トイレなどに、 1日で合計2時間ほどは 必要 でしょう。 | |
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…ということは、 「純粋に、自分が自由に 使える時間」は、 誰であっても だいたい 『1日 15時間ほど』 に なるわけです。 | |
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「1日の 1/3 ほど」は、 必ず 生活のために 使ってしまう… という事ですか。 | |
ミューラー が 静かにうなずき、 さらに 続けます。 | |
したがって、 普通の大人は 1週間で、 「15時間 × 7日」… 『105時間』の 自由時間 を 持つと考えられます。 | |
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て、ことは… その 105時間のうち、 50時間も『仕事』に 使っちゃってる のが、 この国の 大人 ってわけね。 | |
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自由時間の ほとんど半分 じゃん。 | |
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ただ 実際には、 「残業」が あったり、 仕事に疲れはてて 「1日 8〜9時間」も 眠ったり、 週休2日では 仕事が間に合わないので、 週に6日ぐらい働くケース も あることでしょう。 | |
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そうなれば 文字通り、 『日々の時間の半分以上を、 会社に費やして 生きている』 事に なりますね… | |
ふき も、 数字になったものを 聞かされて、 あらためて 愕然としました。 自分たちが、 こんなにも 『仕事』に 人生の時間を 費やしていた とは… 深く意識したことは ありませんでしたが、 人生の大半は『仕事』 であり、 『世の中に 直接 かかわれる時間』 も また、ほぼ同様 だったのです。 |