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第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ 地球生物が 生き残るために、 『しあわせ』を どう活用するか? |
ミューラー が 『仕事内容 の 重要性』を 説いてくれる一方で、 それを聞いている ふき は、 「今の自分」が つくづくミジメに 思えてくる のでした… ![]() ![]() 毎日の激務や残業に 追われるばかりの、 日々の時間の半分以上を、 会社に費やして生きている 今の ふき にとって… 一応、テストプレイの バイトの子たちをまとめる 中間管理職とはいえ、 社内での発言力も まだまだ ほとんど無い 今の ふき にとって… 『自分たちの仕事内容を、 「文明の発展」へと 直結していける改良案』 など、 そうそう 考えついたり 提案できるものでは ありません。 ![]() 明日以降の業務に 支障が出ないよう、 日々のコンディションを 整えるのに 手一杯 で、 有意義な「自分のための時間」や 心の余裕など、 ほとんど 持てていない のが 現状です。 そのため、 本目的である 『ゲーム企画者に なるための勉強』も、 なかなか進めることが できていない のです。 ![]() そう言うと、 ふき の 怠慢のようにも 聞こえますが、 性格上、 「好きではない仕事」に 対しても なかなか手を抜けない 要領の悪い(?)ふき は、 残業や土日出勤なども 重なって グッタリと 疲れはて、 帰宅しても 頭が働かず、 ダラダラと 空しく、 貴重な 20代を 浪費しつづけてしまって いる のでした… ![]() ![]() | |
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「仕事」というものは、 生きていくための 糧(かて)を 得つつ、 人生の時間の 大半を費やして 社会に関わる … |
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いわば 『その人の 人生そのもの』 と言ってもいい、 重要行為 です。 |
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しかし、 その選択(就業先)を 誤れば、 それは ただただ 『日々の生活費を得るため だけの 義務作業』 と 化し… |
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今後 よほどの幸運に 恵まれないかぎり、 道を修正(転職など) するのも困難 な、 人生の大半の時間を 消費し続ける 『地獄 の ループ』と なってしまうのです。 |
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ある程度 若い頃に 「どういった仕事を選ぶか」で、 実は、その人の人生は ほとんど決定して しまっている… そう断言しても、 過言ではないでしょう。 |
ふき は 話を聞きながら、 情けなくて 泣けてきました。 ![]() 新卒時代に 「とりあえず ゲーム会社に入れれば、 どこだって 何とかなる!」 と、ろくに今の会社の 内情 や 企業系列も 調べずに、 甘い算段で ゲーム業界に もぐりこんだ結果、 身動きが 取れないまま 今に至る… そんな ふきも また、 『地獄のループ』の 生き証人の1人 だからです。 ![]() ![]() |
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だからこそ… だね? |
ネック の 言葉に、 ミューラー が これまで以上に 深く うなずき、 ふき が 2匹の顔を あらためて見つめました。 ![]() | |
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その通りです。 「だからこそ」、 どんなに苦しい日々の 中に あっても… |
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少しでも、わずかでも、 『自分の技能』を 磨きつづけ、 『自分の能力を 本当の意味で活かせる業務』 に 近づき、 『自分が手助けしたいと 思える人々が集う企業・団体』 に 所属 して、 『人類の文明発展の一助』 となって 本物の充足感の中で 日々を送れる よう… |
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小さな小さな努力 を、 日々 コツコツコツコツと、 積み上げ続けなければ なりません… |
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でなければ、 『自分の技能と 無関係な業務』で、 『尊敬も共感もできない、 どこかの誰か』の 利益のため に、 二度と戻らない 自分の大切な人生を、 浪費し続けるだけの毎日 が 変わることは… |
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「決して無い」 からです。 |
話を聞いていた ネック が、 しみじと 語りました。 | |
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「ご飯代」欲しさに、 やりたくもない仕事を 死ぬまで 繰り返す… か。 |
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そんな人間ばっかの 世の中 じゃ、 『文明レベルの向上』とか ただの夢物語か 笑い話 だよね。 |
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たしかに… ほとんどの人が やりたくもない事を 「やらされている」 みたいな気持ちで 社会に かかわっている (仕事をしている)ようじゃ… 『社会の発展』なんて ありえない よ… |
悲しそうな ふき を 見つめながら、 かみね が 困ったように 質問しました。 | |
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それでは… 人間さんたちは どのように、 今の「仕事」を 『文明の発展』に 結びつければいい のでしょうか…? |
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『2つの方法』が あります。 |
ミューラー が、 そう 答えました。 ![]() ![]() |
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まず1つは、 先ほど お話しした通り、 『自分の技能を活かして、 さらには「文明の発展」にも 貢献できそうな仕事』に、 全力投球すること です。 |
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その方法は 『転職』 かもしれませんし… 今 勤めている職場の 『社内改革』 かもしれません。 |
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もちろん そこには、 さまざまな苦労や 困難 があるでしょうが、 『自分の人生の時間の半分を、 やりたくもない仕事に 浪費しつづける日々』と 『自分の技能が 人類の発展に 直結していく日々』を 考え比べてみれば… |
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「あきらめるには あまりに惜しい選択肢」 だと思うのです。 |
今の「社内の発言力の無い」 自分を考えると、 ふき の 取るべき道は、 やはり『転職』しか ないようです。 ![]() | |
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そして、もう1つは… 直接 自分の技能を 『人類の発展』に 活かせなく ても… |
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『人類の発展に貢献できる 人々を助け、 応援できる業務』 というものも、 世の中には あふれている… という点です。 |
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ど、どういう意味 でしょう?? |
ミューラー は、 首をかしげる かみね に うなずきつつ、 ふき に こんな質問をしました。 | |
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ふきくんは、 「料理人さん」に なろうと思ったことは ありますか? |
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えっっ!!?? |
一人暮らしの ふき は、 そこそこですが 「料理」をすることは あります。 でも、 「料理人」として働く なんて、 今まで ただの一度も 考えたことが ありませんでした。 ![]() ふき が 返事に困っていると、 ミューラー は 察して、 ほほえみながら うなずきました。 | |
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いや、 無理もありません。 今まで ふきくんが 目指してきた道 とは、 あまりにも かけ離れていますものね。 |
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でも、たとえば ふきくんの 勤める「食堂」が、 『宇宙開発』の 研究所の 施設内 にあって… |
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その研究所の 職員さんたちが、 ふきくんたちの 作ってくれる お料理を とても 楽しみにしている… としたら、どうでしょう? |
ふき は、 少し上を見上げながら 想像してみました。 ![]() |
ふきたちの 作る料理を、 難しく根気のいる研究の、 その合間の ささやかな楽しみ と 感じている、 研究員たち… 彼らは それを食べて、 仕事(宇宙開発)への 気力を よみがえらせます。 ![]() 星好きの ふき とはいえ、 「宇宙開発」に たずさわれるほどの 高度な知識は 持ち合わせていません。 でも、自分の作る料理が 『研究員たちの気力を 支える 一助』に なっていれば、 ふき は 間違いなく、 『宇宙開発実現のために 働く 人間の1人』、 『地球外へ脱出できる 文明の発展を 手伝う人間の1人』 と 言えるのです。 ![]() | |
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「自分が直接、 文明発展に かかわる」 だけじゃなく、 『かかわる人を サポートする』 という道もある… って 事ですね! |
とたんに ふきの 中で、 『つきたい仕事の 幅』が グンと広がった 気がしました。 …と 同時に、 今の自分の 一見 つまらない仕事の 繰り返しの日々 も、 ちょっとした工夫で 『社会・文明発展のための ささゆかな 一助』に できるのではないか…? という希望も、 ほんのりと 見えてきたのでした。 ![]() もちろん、 ふきの 最も やりたい仕事は、 今も変わらず 『ゲームプランナー』です。 でも、もし自分の就く仕事が 『社会・文明の発展を 阻害する行為』 だったり、 『社会・文明の発展を 阻害する団体を手伝う行為』 であれば、 どんなに一生懸命 取り組んでも、 しょせん それは 『悪』の 仕事 (生物の生存確率を下げる行為) です。 ![]() どんな仕事に つくにしても、 最終的には、 『自分たちの DNAが 少しでも高確率で 生き残れるような 未来を作るため』に、 行動するよう、 心がけることが大切… 今、ふき は 今までとは 比較にならないほど、 「仕事を見る 自分の目」が スカッと クリアに 晴れわたった感覚 を、 実感しているのでした。 ![]() ![]() ![]() ![]() |