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第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ 地球生物が 生き残るために、 『しあわせ』を どう活用するか? |
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次は『夢』ですね。 『夢』を、 「文明 の 発展」に つなげるには、 人間さんたちは どうすれば良いのでしょう? | |
かみねの 疑問に、 ミューラーが 答えました。 | |
それはやはり、 『夢は、 現実の延長である』 という事実への 強い自覚を持つこと ではないでしょうか? | |
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「現実の延長」… ですか? | |
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はい。 昨今、人間さんたちが 語っておられる「将来の夢」に、 アヤフヤなものが多い のは、 ひとえに、 『現実』を 直視して いない こと… 現実から 目をそむけている所 に、 原因 があると思うのです。 | |
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たーだーし。 「現実」って言っても、 今日とか明日の 「あんたらの日常生活」の ことじゃない かんね? | |
ネックの 言葉に、 ミューラー が うなずきました。 | |
その通りです。 ここでいう 「現実の直視」とは… | |
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私たち生物が 『DNAの 生存本能に、 自分たちの価値観の ほとんどを 左右されてしまっている』、 『自分の DNAを遺すことを 最大限の幸福と感じる』 という、 「事実」への 自覚 … | |
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そして、 『この宇宙が将来的に、 冷え固まって 「終わり」を迎える』 という予測を、 「現実問題」として 視野に入れること 、です。 | |
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「自分の 事実」 を 知って… 「世界(宇宙)の 事実」 も 知った上で、 あらためて 自分の素直な欲求 に 耳を傾けることで… | |
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自然と 『本心の 夢』が 見えてくる、 という感じですね? | |
ミューラー が、 ほほえんで うなずきました。 | |
もちろん、 抱く『夢』の 大きさは自由 です。 すぐに かなえられそうな ものでも良いですし、 長い年月が必要なものも 良いでしょう。 | |
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でも、 その「彼方」には必ず、 いつか訪れる 『自分の命の終わり』と 『宇宙の終わり』を キッチリと 視野に入れておくこと… | |
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それが欠けた「夢」は、 しょせんは 一時的な 現実逃避に すぎない のですから。 | |
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自分が本当に望むこと (自己の DNAの生存)から 外れた「夢」は、 ただの 「人生の 遠回り」に なるだけ… て 事ですね? | |
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その通りです。 大切なのは 常に、 『ベクトル』です。 | |
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「夢」は、 「フワフワした願望」 ではない、 『具体的な 目標点』で あるからこそ… | |
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「限りある時間(寿命)」を 可能なかぎり 有効活用するための 「中間点」として、 機能してくれる のですから… | |
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「アクセサリー」 じゃなくて、 『羅針盤(らしんばん)』 なのよ? ふき。 | |
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あんたの「本心の針」の 指す方向に、 全力で もくもくと 歩いてみなさいよ。 その方向に歩くことが、 本当に あんたや 世の中や 生物全体のために なること だと思うなら。 | |
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『文明 の 発展』に つながってくこと だと、 信じるなら。 | |
頭をかきながら ほほえむ ふきを 見つめつつ、 ミューラーは あらためて、 「あの言葉」を 繰り返すのでした。 | |
『夢』は… 進化した「大脳新皮質」 を 持つ 人間さんたち だけに 許された… | |
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本当に素晴らしい 『能力・特権』の 1つ なのです! | |
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