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第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ 地球生物が 生き残るために、 『しあわせ』を どう活用するか? |
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次は『友だち』か… これは 『人類の文明の 飛躍的な発展』 にとって、 相当に重要な要素 だよね。 | |
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おおっ、 分かりますか ふきくん。 | |
ミューラー は、 とても うれしそうに ほほえみました。 | |
だって、 僕が どんなに努力して 能力を上げていった としても、 個人で できることや 学べることには 限界がある もんね… | |
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ゲームの 「アイディア」は 出せても、 「プログラム」や「絵」や 「音楽」までは とても 手が回らないし… | |
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星を見るのは好きだし、 こうやって 『宇宙の 終わり』 についても認識したけど、 その宇宙に飛び立つ 宇宙船や、コロニーなんかを 設計・製造する技術 は、 当然、カケラも 持ってない … | |
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そんなふうに、 世の中全体から見れば 「少量で片寄った、何かの能力」 を 持つので 精一杯 なのが、 僕ら『個人』 なんだなぁ… って、 | |
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最近になって、 つくづく 分かってきたよ。 | |
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でも、 そんな あんたに、 『あんたとは別の 能力を持った、 信頼できる友だち』 が いれば、 話は変わってくる よね。 | |
ネック の 言葉に、 ふき も うれしそうに うなずきました。 | |
そうなんだ。 僕1人じゃ 形にできない アイディアも、 賛同してくれる 仲間や同僚 がいれば、 「ゲームとして形にできる」 かもしれないし… | |
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「宇宙開発」に たずさわっている 友人・知人がいたら、 彼らに 『地球脱出の 重要性』を より正確に 理解してもらうことで、 そうした方向にも、 開発を検討してもらえる かも しれない… | |
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「自分のために働いてくれる 都合のいい人間」とか そういう意味じゃなくて、 『類似の価値観に向かって いっしょに歩いていける 可能性が高い人間(友だち)』 が いてくれる事で… 『同じベクトルを持った仲間』 が いてくれる事で… | |
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結果的に、 自分自身の 「できる事」に、 ググッと 広がりが 出来てくれること が、 うれしいんだ。 | |
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その「ベクトル」 というのは… | |
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もちろん! 『「宇宙の終わり」を 視野に入れた、 僕らの DNAの 生存確率の向上』 …だよ? | |
ふき の 言葉に、 ミューラー が 腕組みをしたまま 何度も うれしそうに うなずきました。 |
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『地球生物たちが、 この地球から旅立つ』… そこに至る 「方法・手段」は、 多種多様にある と 思われます。 | |
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しかし、 それが『実現』 できるか どうか は、 たくさんの 「本当の意味での 友だち」 に 恵まれ、 「自分の意志」を 正確に伝達 できる… | |
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ごくごく ごく限られた 少数の人間さん の、 不断の努力に かかっています。 | |
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人間さんたちが、 「人間」という種として 生きる ようになってから、 200万年以上 … 文明的な暮らしを 見出して から、 すでに 数万年 が 経っていると言われますが… | |
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いまだに、 『人類の 社会的な統一』 には、 至れておりません。 | |
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しかし、それを 成しえないかぎり、 『地球規模の、飛躍的な 文明の向上』や、 『長大な宇宙航行を 可能にするだけの 超文明への到達』は、 夢また夢 でしょう… | |
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「カルト」のように 『人の思考を、都合よく 画一化』したり、 『人を無思考にする』 などして、 いつわりの団結に 陶酔する のではなく… | |
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個々人の細かい価値観は バラバラ のままでも、 『生物滅亡』という 「人類共通の危機」 に 対して、 全ての人間さんたちが 思考し、結束し、 協力し合って いけたら… | |
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そのときこそ人類は、 「本当の仲間」として… 『1つの巨大な 思考生命体』 として、 機能するように なるのかもしれませんね。 | |
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それが 結局は、 僕ら「人間」そのものの 生存確率を向上させる、 最も確実な方法 でも あるんだものね… | |
『個人の欲望』 (生存欲求) を トコトン追求したら、 『他人との協力』が 不可欠となり… 協力によって 生まれた力(文明)が、 結果的に 『個人の欲望』(生存欲求) を 満たしていく … 考えれば考えるほど、 不思議で 見事な ルーチン です。 世界中の人々が、 キレイ事ではない 真剣な願いから、 『友だち』として つながる日… そんな日の訪れを、 ふきは 夢見、 祈らずには おれないのでした。 |