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第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ 地球生物が 生き残るために、 『しあわせ』を どう活用するか? |
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続いては 『恋人』ですね。 | |
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はい。 これも、 『人類の 文明の発展』 において、 大変に重要な要素 になります。 | |
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そもそも 『恋人』というものは、 将来的に「夫婦」となって、 「家族」となり 、 協力し合って 「子供」を生み育てて いく、 人生にとっての 最重要のパートナーになる 可能性を持った相手 です。 | |
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共に過ごす期間 は 人間さんの寿命を 「75年」とし、 「25歳」で 結婚 したとしたら、 50年 … | |
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実に『人生の2/3を ともに歩む存在』が、 恋人 であり、 夫婦 なのです。 | |
結婚は重要だと 知ってはいた ふき ですが、 あらためて「年数」で 考えてみると、 その期間の長さに 驚くとともに、 少し怖くなってくる ほどでした。 | |
また、 「会社」であれば、 入社後に どうしても 社風などが自分の肌に 合わなかった場合 は、 「転職」などの手も ありますが… | |
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結婚においては、 それは『離婚』となり、 お互いの人生は もちろん、 子供がいれば その子たちの将来にまで さまざまな負担を 強いてしまう 大問題 に 発展します。 | |
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それだけに、 「異性の方との お付き合い」は、 今後の自分の人生を ほとんど 決定づけてしまう、 いわば、 『自分の人生を賭けた 一大ギャンブル』 とも 言える側面が あるのです。 | |
少し前までは、 「イケてる彼女に 盲目的につくす」ことを 誇りに感じた り、 「恋人がいないのは みっともないから…」 といった虚勢 も 手伝って 付き合っていた、 ふき と その彼女 でしたが… それが、 いかに 子供じみた、 今後の自分の人生を 左右しかねない危険行為 であったかを再認識し、 背筋が凍るのでした。 しかし ミューラー は、 こうも 語ってくれました。 | |
その一方で… 『良い恋人の 見極め』 に 成功し、 その方と 家庭を作る ことができれば、 その人の人生には、 かけがえのない 大きな「しあわせ」が もたらされます。 | |
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その 「深い 幸福感」は、 その人の 人生の日々に 『何事にも前向きに 取り組みたくなるような、 とても大きな活力』 を 与え… | |
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『愛する家族や子孫が 末永く しあわせに 暮らせる』よう、 「よりシッカリとした 社会や文明」を 求める思いを、 自分の中に 強く持つ ようになるのです。 | |
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自分が 今すでに、 「ある程度 しあわせ」 だから、 周りや 未来にまで 目が届く ように なるんだろうね。 | |
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逆に 不幸者 は、 「目先の 自分の利益」 ぐらいにしか 頭が回らない もんね。 | |
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いいかげんな 恋人選び しか してこなかった人は、 自分が「不幸せ」だから、 『社会・文明の発展』まで 気が回らなかったり… そうした方面に 貢献できる可能性も 低い… という事ですね? | |
今の世の中の 多くの人々が、 単純で脊髄反射な 「政府批判」や「他者批判」に あけくれるばかりで、 自ら 具体的な行動を 起こそうとしない 理由の1つには、 『そもそも 今まで、 自分自身の人生を 真剣に考えてこなかった』 こともあるのでは…? ふき は、 「今の 自分の不幸」に しがみついているだけの 人々の姿… 先日までの 自分自身の姿 に、 不快感と、寂しさを 感じるのでした。 |
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それにしても… じゃあ、 『良い恋』をするには どうすればいいんだろう?? | |
ふき の 疑問に、 この部屋の中で唯一の 既婚者である ミューラー が 答えました。 | |
それは ふきくん、 『多くの異性の方と 出会うこと』 だと思います。 | |
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う、浮気しろって ことですか??? | |
悲鳴のような声をあげて 非難の視線を送る かみね に、 ミューラー は ビックリ仰天。 | |
い、いえいえいえ…!! 私の言っているのは、 『異性の方と本格的に お付き合いを始める前に、 さまざまな 異性の「心」を 知っておくと良い』 という お話です。 | |
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「心」… と 言いますと? | |
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考えてみて下さい。 私たち生物は、 年月が経てば 必ず老います。 若く美しい (と 生物が感じる)要素 も、 年月とともに 必ず劣化します。 | |
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でも、 本人の心がけと 努力があれば、 劣化しないもの … むしろ、 磨かれていくもの が、 1つだけ存在します。 それが… | |
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『心』… って わけですね? | |
ミューラーが、 ニッコリと うなずきました。 | |
ただ、 この「心」というものは、 見抜くのが なかなか難しい ところがあります。 | |
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意図的に、自分の心を 美しく飾っている 場合もありますし… 「自分の本心」に フタをしていることに、 当の本人が気づいていない ケースすら あるのですから… | |
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それを見極める 練習 のために… あらかじめ 「色んな異性」に 会っとけ ってことだね? | |
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その通りです。 「異性」である前に 『人間』として、 そうした人々の「心」を 丁寧に観察 し、 ご自身の 『心の 目利き』を 磨くことで… | |
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『自分が、人生をともにしたい と思える「心」を持った異性』 を、見極められる 可能性も向上 して、 「ギャンブルめいた恋愛」を しなくて済む ようになる… ってことですね。 | |
ミューラーが ほほえみ、 深く うなずきました。 「自分の人生」を 真剣に大切にする からこそ、 自分の「家族や子孫」も 大切に感じ、 その暮らしの基盤である 「社会や文明」の発展を 強く願う ようになる… 『個人(DNA)の しあわせ(生存欲求)』 を 突き詰めれば、 それは かえって、 『社会全体の しあわせ(発展)』を 真剣に望む気持ち に 辿りつく… 以前にも話し合った この不思議なルーチン が、 今の ふき には さらに深く 実感されるのでした。 |
ちなみに ミューラー は、 こんな話 も してくれました。 | |
あと、これは 当然の話なのですが、 「恋人を選ぶ 権利」は、 自分だけではなく 相手にも存在します。 | |
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つまり、 「一生を共にしたいと 思える異性」に 出会えても、 相手も 自分のことを そのように思って くれるかどうか は 『別問題』という事です。 | |
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…という事は、 『他人の心の 目利き』を 訓練するだけではなく… | |
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『自分自身の心』を 磨くこと も、 忘れちゃいけない… って 事ですね? | |
ミューラー が、 ニッコリと うなずきました。 | |
その通りです。 以前に ネックさんも おっしゃって おいででしたが、 恋愛は 『2人で するもの』… 「お互いのニーズ」が 合致して、 はじめて成り立つもの なのです。 | |
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このように、 真剣に「自分の人生」の ことを 考えれば、 『恋愛』は 本来、 とても難しくて 当たり前のもの です。 | |
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周りの目を気にしすぎて 無闇に アセったりせず、 しかし、 アンテナだけは はり続けて、 「恋」に 挑んでほしい ものです。 | |
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「若すぎる結婚」も 「晩婚」も、 関係ありません。 | |
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大切なのは、 その相手に、 「自分の人生」を 賭けること に、 当の自分自身が 『納得』できているか どうか なのですから。 | |
いつかは 自分にも、 そんな 「人生を共にするに 値する相手」 に 出会う日が 来るのだろうか…? 不安と期待で、 窓の外に広がる 春の水色の空 を 見上げる ふき に… ネック が 言いました。 | |
良かったね、ふき。 あたしたみたいに イイ女 と 3ヶ月もいっしょに 暮らしたんだから、 これで あんたの 「異性の目利き」も バッチリだね。 | |
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怒りにまかせて 他人の「弁慶の泣き所」に 爪を振り回すような、 そんな 怖い女性にだけは 近づかない… て 事だけは 勉強 できましたよ。 | |
この日、久しぶりに、 リビングに ふき の 絶叫が コダマしました。 |