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第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ あたしの『お父さん』 |
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分かりました。 おそらく、 うまくいくと思います。 | |
春の あたたかい日差しが、 ゆるゆると ふりそそぐ リビング… その中央に、 ちょっと 緊張した ネック が、 チョコンと 座っています。 かみね は、 その そばに 静かに腰を下ろし、 ネック の 小さなひたいに、 そっと 自分の 前足をのせました。 2匹から少し離れた 場所に座って それを見ている ふき と ミューラー も、 少し 緊張しています。 『自分の 元の飼い主だった おじいさんが、 今 どうしているかを 知りたい』… そんな ネック の たっての願いで、 かみね が 神通力を使って調べてみる ことになったのでした。 もちろん これは、 キツネの神さま の 『3つの願い』とは まったく無関係 の 要望です。 以前に ふき が、 「デートで、彼女の ご機嫌を取るために ヘコヘコしていた」 みっともない姿を 見られてしまった ことが ありましたが… そのときにも使用された この能力は、 「神さま」にとって、 ごく初歩的な力に すぎない のです。 にも かかわらず、 ネック が、 キツネの おじいさん や かみね に なかなか この件を 頼まなかった のには… いろいろと 複雑に 「思うところ」が あったのでしょう… そんな ネック も、 『あと少しで 自分の寿命が終わる』 という時期になり、 ようやく 決断がついたものと 思われます。 | |
うん、まあ… やっぱり ちょっと、 気になるしね… | |
そんなふうに 気のない素振りを 見せている ネック ですが、 『3年ぶりに 「元の飼い主」の生活を 知ることができる』… という 期待の大きさ は、 めずらしく ソワソワしている その様子からも 丸わかりでした。 |