サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』
あたしの『お父さん』


■ あたしの『お父さん』
(2/5)


『白猫ネックの、
心の「お父さん」』





ちなみに、
この神通力…
『千里眼』は、

『それに関係のある生物』
媒介(ばいかい)にすれば、

とても 成功率が
高くなります。




かみね が 簡単に
ふき の デート現場」
見ることができたのは、

ふき の 知り合い である
ネックミューラー が、
そばに 一緒にいたため
ですし…

  



ふき が 公園に
自殺しに来た あの日、

キツネの神さま が、
ミューラー」の存在
知ることができたのも、

ふき本人 が
いたからこそ
です。

  





とはいえ、

今日の かみね は、
ちょっと時間が
かかっている
様子…





ネック
元の飼い主
である
「人間の おじいさん」


その おじいさんの
今後を心配して、
引き取ったという、
息子さん ご夫婦
住まいは、

どうも、この街から
かなり 離れた場所

のようです。





それで、
引っ越しした後も、

あの公園に 様子を見に
来れなかった…


という事なのかな?




そんな事を
つぶやきつつ、

さらに じっと
待ち続けたところ…



それまで 目をつぶって
小さく うなっていた
かみね が、

目をつぶったまま、
「あっ」と 安堵の笑みを
もらしました。



息子さん夫婦の お家を
見つけたのです。






い、いた?

お父さん。




ネック
さらに グイッと
かみねに 近づきました。





…「お父さん」?





どうも ネック は、
以前の 自分の飼い主を、

心の中で
そんなふうに
呼んでいたようです。




かみね は、
ちょっと おだやかな顔に
なったものの、

まだ 目をつぶったまま、

「千里眼」を駆使して
色々なことを調べます。







それほど 裕福という
わけではないけれど、

人並みな生活水準と、
清潔さを感じさせる
家の中




そこに住む人々の、
性格や、思い出



そして何より、
「人間の おじいさん」

『ネックの お父さん』
の 姿を求めて、

かみね は 家の中を
駆けまわるのでした。


  






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